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「本当、牧さまさまです!」牧秀悟と同期ドラ1、DeNA入江大生23歳が昨季リハビリ中に考えていた「大事なのは、目に見えるようなレベルアップ」
posted2022/08/15 11:01
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
屈託のない笑顔。8月2日の広島戦(横浜スタジアム)、横浜DeNAベイスターズの真夏の恒例イベント『YOKOHAMA STAR☆NIGHT』で試合後、“ブルブルダンス”をノリノリで踊った入江大生は、つめかけたファンからやんやの喝采を浴びていた。
山田哲人に全球ストレート勝負
思えばルーキーイヤーだった1年前のこの時期、入江は右肘のクリーニング手術を受けていた。ドラフト1位入団として期待を背負うなか、先発として活躍ができず離脱を余儀なくされた忸怩たる日々。だが今は、チームになくてはならないリリーバーとして、万人が認める存在になった。
「やっぱなにか気にしちゃって(ダンスが)できないよりは、ある程度できるようになって良かったなって思っていますね」
感慨深くもある晴れやかないい表情。チームの一員として戦えているといった自信が、入江からは滲み出ていた。
今シーズンは開幕から一軍入りし、ブルペンの一角を担っている入江。ここまで36試合に登板し2勝6ホールド、防御率3.27(データは8月13日現在、以下同)という数字を残している。春先は打たれる場面が目立ったが、日を追うごとにコンディションを上げ、とくに7月と8月は11試合を投げ、防御率0.00と圧巻のピッチング見せている。ビハインドから始まり、今では火消しや僅差のゲーム、回またぎなど難しい場面でマウンドに上がり、切れのあるストレートをねじ込んでいく。
「リリーフとしてブルペンに入った当初は、自分がどういう場面で投げるのかわからないことだらけで常に緊張していたのですが、最近は自分がどういう場面で任されるのか、試合の流れもわかってきたので要領よくやるべきことをやれていますね」
8月12日のヤクルト戦(神宮)、DeNAが4対2でリードしていた8回裏、リリーフのエスコバーの制球が乱れ、1アウト満塁のピンチを迎えてしまう。首位ヤクルトを7ゲーム差で追うDeNAとしては決して落とせない試合。ここで登場したのが入江だった。
緊迫の場面、入江はサンタナからフォーク、フォーク、最後は高めのストレートで空振り三振を奪うと、その後、オスナにフォアボールを与え押し出しで1点を献上。それでも気持ちを切り替え、つづく代打の山田哲人を全球ストレート勝負でライトフライに封じ込み、チームの勝利に貢献した。粘り腰の意義深い火消しだった。
木塚コーチから言われた「目指すならば…」
入江は自身の好調の要因を次のように分析する。