またスタジアムには、「MITOMA 22」のネーム入りユニホームを着たホームサポーターの姿も。ゆっくりと、そして着実に、三笘の存在感が増してきた。取材を通して、筆者はそんな印象を抱いた。

「まだ信頼されていない」と三笘が繰り返すワケ

　このプレシーズン期間に、三笘が何度も口にしていたのが「まだ信頼されていない」という言葉だった。1対1の局面を得意のドリブルで突破しようとも、良い形でパスが入らなければ始まらない。活躍するには周囲に信頼してもらうことが不可欠と語っていた。

　実際、試合でも気になるシーンがあった。

　三笘の欲しいタイミングでパスが出てこなかったり、あるいは味方がボールを日本代表に預けなかったりと、チームメートにまだ全幅の信頼を寄せられていないと感じる場面が何度かあった。

　三笘は言う。

「プレースタイルは分かっていてもらえているので、そこはいいですけど。ひとつ結果がでないと、やっぱり信用されないので。試合に出たときにどれだけやれるか。開幕するので、ここからどう信頼を得ていくかというところだと思います。信頼を掴むには？ ゴールとアシストを奪うことかなと考えています」

プレシーズンマッチに出場した三笘　©Getty Images

三笘がポジションを争うライバルは誰か

　所属先のブライトンは昨シーズン、クラブ史上最高位の9位で終えた。指揮官のグレアム・ポッター監督は在任4年目。対戦相手に応じて複数のフォーメーションを使い分け、優れた戦術家として高く評価されている。今季の目標は、昨シーズンを上回る成績だ。

　チームの基本フォーメーションは3-4-3。この場合、三笘は左のウイングバックに入る。そして、もう一つのオプションが4-3-3だ。こちらでは、前線の左ウイングでプレーしているという。いずれも、左サイドが定位置となる。

　左ウイングバックにフォーカスしても、チームには実力者が揃っている。

　昨季、左WBのレギュラーを務めたスペイン代表DFマルク・ククレジャはチェルシーに移籍。もちろん指揮官は対策を練っており、プレシーズンマッチではベルギー代表MFレアンドロ・トロサールと元イングランドU-21代表MFソロモン・マーチ、そして三笘の3人が左WBでプレーした。

　戦術理解や守備など総合力で考えると、ファーストチョイスはトロサールか。ただ、トロサールは3-4-3における前線のウイングを兼任し、マーチも右ウイングバックでプレーできるなど、両者は複数のポジションをこなすマルチロールである。彼らが異なるポジションに入れば、三笘にも出場のチャンスが広がる。

　ただ当面、三笘はジョーカーとして起用される公算が大きい。

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