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森保Jの序列が劇的に変わることはなくても…「E-1経由カタール行き」の可能性を示した“あの選手”と不可解だった「4-2-3-1」
posted2022/07/28 17:03
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Masashi Hara/Getty Images
最初にはっきりとさせなければならないことがある。
E-1選手権で9年ぶりに優勝したからといって、日本代表の序列がいきなり、かつ劇的に変わることはない。
11月開幕のカタールW杯は、これまでと異なるスケジュールで開催される。欧州各国リーグを中断して行なわれる今回は、事前にキャンプを張ってテストマッチを消化することが叶わない。選手が所属クラブを離れるのは11月14日で、21日にはグループステージ初戦がスタートする。日本の初戦は23日だ。
W杯へ向けた実質的な準備は、9月のテストマッチ2試合で終了なのである。最終的な調整の機会となるその9月に、多くの選手をテストすることが果たして現実的だろうか。
すでに構築してきたコンビネーションを磨くべきだろう。
さらに言えば、森保一監督はドラスティックな選手の入れ替えを好まない。韓国戦後に9月の欧州遠征に連れていきたい選手は「いる」と答えたが、多くても2、3人のはずだ。ひとりでもおかしくないし、誰も選ばれなくても驚きではない。
なぜ森保監督は「4-2-3-1」を採用したのか
その一方で、今回のW杯は登録メンバーが26人だ。これまでより3人増える。所属クラブで目覚ましい活躍を見せた選手を抜てきする余地はある、と考えることはできるかもしれない。
そうだとしても、準備期間の短さを考えるとサプライズ的な招集は難しい。今回のE-1選手権が、国内組にとってのラストチャンスと位置付けられたのはそのためだ。
ラストチャンスと考えると、首を傾げたくなるところがある。
今回のE-1選手権に、森保監督は4-2-3-1のシステムで臨んだ。試合の流れによって4-3-3のような立ち位置になることもあったが、基本システムは4-2-3-1である。
それによって、所属クラブと異なるポジションで起用された選手がいた。森保監督にしてみれば、システムへの適応力を見極めたかったのかもしれない。そもそもW杯の代表入りを狙うなら、システムの違いを乗り越えて個の力を発揮しなければならないとも言える。