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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「モリタはライオンだ!」前所属クラブの“処罰”を経て… 守田英正が加入スポルティングの内情は?〈名門移籍という諸刃の剣〉
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph bySports Graphic Number
posted2022/07/05 17:01
スポルティングの公式ホームページでいち早くユニフォーム姿を披露した守田英正。ポルトガル屈指の名門でどんな活躍を見せるか
ロナウドは大西洋に浮かぶマデイラ島で生まれ育ち、12歳でスポルティングのアカデミーの入団テストに合格してリスボンへ移住。2002年、17歳でトップチームに昇格すると、国内リーグとカップ戦を合わせて30試合に出場して5得点をあげた。そして翌年、マンチェスター・ユナイテッドへ移籍している。
他にも元ポルトガル代表FWのリカルド・クアレスマ(現ビトリア=ポルトガル)、ナニ(現ベネツィア)ら名選手を輩出。元日本代表FW田中順也(現FC岐阜)も2014年から16年まで在籍し、35試合に出場して7得点をあげた。
21-22シーズンはCLでベスト16に入った
2020-21シーズンの国内リーグ覇者。昨季は欧州CLに出場してベスト16入り。ただし、ラウンド16ではマンチェスター・シティの前に1分1敗(合計スコアは0−5)と力の差を見せつけられた。国内リーグでは2位で、守田が言及したように、今季も欧州CLに出場する。
ポルトガルリーグは欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、フランス、イタリア)のすぐ下のレベルにあり、スポルティングは国内ではトップクラスだが欧州ではトップの少し下という位置づけだ。
守田のスポルティングとの契約期間は4年で、違約金は4500万ユーロ(約63億4000万円)。移籍金は380万ユーロ(約5億4000万円)と報じられている。
日本代表でもポルトガルでも盤石のレギュラーに
守田は、大阪府高槻市生まれの27歳。対人守備が強く、技術レベルも高い。精巧なパスを繰り出して攻撃の起点となり、機を見てゴール前へ飛び出して自らもゴールを狙うモダンなボランチだ。
流通経済大4年のときに川崎フロンターレの特別指定選手となり、大学卒業後の2018年、川崎Fに入団。ほどなくレギュラーとなり、この年のリーグ優勝に貢献した。2020年にもリーグ制覇を成し遂げ、ベスト11に選ばれた。
2021年1月、大西洋に浮かぶアソーレス諸島に本拠を置くポルトガル1部サンタクララへ移籍。月末のリーグ戦に先発し、いきなりゴールを決めてチームを勝利に導いた。そして、この試合を含めてリーグ戦20試合すべてにフル出場し、2得点3アシストを記録した。
日本代表には、2018年9月に初招集。2022年W杯アジア2次予選にも出場したが、当初は控えだった。
しかし2021年10月、1勝2敗の危機的状況で迎えたアジア最終予選第4節オーストラリア戦で先発して遠藤航(シュツットガルト)、田中碧(デュッセルドルフ)と共に中盤を構成。攻守両面で持ち味を発揮し、日本代表のアジア最終予選における苦しい流れを一変させる勝利に貢献した。以来、絶対的なレギュラーとなっている。