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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「モリタはライオンだ!」前所属クラブの“処罰”を経て… 守田英正が加入スポルティングの内情は?〈名門移籍という諸刃の剣〉
posted2022/07/05 17:01
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Sports Graphic Number
心躍るような打楽器の音色。暗い画面にクラブカラーであるライトグリーンの照明を左側から当てられ、精悍な顔が少しずつ浮き彫りになる。
緑地に白の横線が入ったユニフォームをまとった男の右手が、左胸のクラブのエンブレムを指し示す。そこには、雄々しく立ち上がる黄金のライオンの絵柄の上に「スポルティング」、下に「ポルトガル」の文字が……。
ここで初めて、男の顔がくっきりと映し出される。
クラブの巨大なエンブレムの前で、フレデリコ・バランダス会長と笑顔で握手を交わす。
「私の名前は守田英正です。私はライオンです」
こう日本語で自己紹介し、両手で力強いガッツボーズを作る(ライオンはクラブの象徴だ)。
ユニフォーム姿でボールを跳ね上げ、二度、三度と右肩で突く。
そして、「ヒデマサ・モリタは、ライオンだ」、「2026年まで」というポルトガル語が現われ、最後にクラブのエンブレムが大写しになる……。
これが、クラブの公式ツイッターが配信した動画である。
「キャリアで最大の挑戦になる」
公式サイトでは、「ポルトガルへ来てからずっと、ここでプレーしたいと思っていた。とても幸せです」、「私の夢は、欧州チャンピオンズリーグ(CL)でプレーすること。自分のキャリアで最大の挑戦となる」などの言葉が紹介された。
創立から116年の節目を迎えた7月1日、ポルトガルの名門スポルティングが日本代表MF守田英正の入団を発表した。
スポルティングは、ベンフィカ、ポルトと並ぶポルトガルの3大クラブだ。1906年、首都リスボンの上流階級によって総合スポーツクラブとして創設され、リーグ優勝19回はベンフィカの37回、ポルトの30回に次ぐ。欧州では、1963-64シーズンにカップ・ウィナーズ・カップを制覇している。
本拠地「ジョゼ・アルバラデ」は流線型の屋根を持つ壮麗なスタジアムで、収容人員5万人を誇る。
クリロナを育成したクラブとしても知られる
世界フットボール史上最高のストライカーの一人であるクリスティアーノ・ロナウド(現マンチェスター・ユナイテッド)を育成したクラブとしても知られる。