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「とにかく練習するスタイルから変えました」代打で見逃し三振3連発…蝦名達夫24歳が一軍定着&“エビ反りキャッチ”を見せるまで
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph bySankei Shimbun
posted2022/07/04 17:00
蝦名は3年目の今季、6月終了時点で既にシーズン自己最多の35試合に出場している
「それはあるかもしれません。基本的に低めは振らないように意識はしていますが、自分が強いスイングができるコースとポイントは理解しているので、ミスショットはしても、次は捉えるといった感覚はありますね」
ファームでの練習を糧に
それを可能にしているのが最短距離でボールを捉えるバットの出し方だ。始動の早さも含め昨季よりもスムーズに強いスイングができている。このあたりの技術的な変化は、今季から就任した石井琢朗野手総合コーチの影響があると蝦名は言う。
「一軍に来てから石井コーチの指示で“縦振り”の練習などを採り入れています。自分の課題は速い真っすぐをいかに捉えるかなので、石井コーチとの練習で、徐々にですがバットの始動はもちろん、よりシンプルなフォームに改善されてきているような感覚はあります」
一軍で戦うための一番大きな壁である速球への対応。6月11日のロッテ戦(ZOZOマリン)では佐々木朗希と対戦。3打数無安打だったが、当代一のストレートを目の当たりにし得るものは多かったという。
「いい経験になりました。結果を出すためには、やはり速い真っすぐをファウルしてしまうとカウントを苦しくすると改めて理解しましたし、やはり1球で仕留める勝負強さを身に付けなければいけないなって」
貪欲さが口調からにじみ出る。今季、見逃しの三振はほとんどなく、初球から積極的に振り、追い込まれる前に勝負を決める場面がしばしば見られる。
本人が考える”あのプレー”ができた理由
積極性はなにもバッティングばかりではない。身長185㎝と大柄ながら50m6秒フラットの俊足を活かし、チームの課題でもある盗塁や走塁でもいいアピールをしている。
「昨年ファームでやってきたこと(18盗塁)が自信につながって、今は不安要素なく、思い切ってスタートを切れることができていますね」
また外野守備においても存在感を示している。6月26日の広島戦(横浜)では1点リードの3回表、中村奨成のライナー性の打球に蝦名は猛然とチャージし、エビ反るようにダイビングキャッチ。印象に残るファインプレーを魅せた。