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「とにかく練習するスタイルから変えました」代打で見逃し三振3連発…蝦名達夫24歳が一軍定着&“エビ反りキャッチ”を見せるまで 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph bySankei Shimbun

posted2022/07/04 17:00

「とにかく練習するスタイルから変えました」代打で見逃し三振3連発…蝦名達夫24歳が一軍定着&“エビ反りキャッチ”を見せるまで<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

蝦名は3年目の今季、6月終了時点で既にシーズン自己最多の35試合に出場している

 昨年の9月9日の巨人戦(横浜)、5対5で迎えた9回裏二死一、二塁のサヨナラのチャンスで蝦名は代打として起用されたが、甘い球を2球見送り、見逃しの三振。ハマスタの観衆からは大きな溜息がもれた。「とにかく打ちたい」という気持ちが体をこわばらせた。その後2試合に蝦名は代打で起用されるが、いずれも見逃しの三振に終わっている。気持ちが空回りしたまま、蝦名は登録抹消され昨シーズンを終えている。

 今でも胸の奥に巣食う、忘れられぬ悔しい想い。自分を変える必要があった。結果がなかなか出ない時期であっても蝦名の背中を押しつづけてくれたのがファームの首脳陣だった。大村巌ファーム打撃コーチは「できることをまずしっかりやること。初球からどんどん振っていけばいい」と積極性を促し、仁志敏久ファーム監督は「プロになれたということは素質があるということ。だからシンプルにいけばいい」と蝦名を諭した。昨季はファームで打率3割をマークし、ポテンシャルの高さは証明している。あと必要なのは一軍への高い壁を超える“突破力”だけだった。

 昨季は一軍で思うようにバットが振れなかったが、今季はなぜそれが可能になったのだろうか。単に積極性だけの問題ではない。蝦名は自分のなかの変化を以下のように説明してくれた。

本人に変化の理由を問うと…

「昨年までは狙い球を絞り切れなかったというか、例えばスライダーを待っていても甘いところに真っすぐが来ると打ちたいがために手が出てしまうなど中途半端になっていました。けど今は完全に割り切りができています。自分のなかで打つべきボールはなにか、追い込まれたらどうするのか、プランをしっかりと立てています。打席に入る前にしっかりと頭のなかを整理して、あれこれ考えず、打つべきボールが来たら積極的に振っていく」

 割り切ることの大切さと、欲を削ぎ落したシンプルな思考。ただ蝦名のバッティングを見ていると、想定外とおぼしきボールであってもゾーン内にくれば強く振っていき、ファウルになることもあるが再び同系統のボールが来ればしっかりと仕留めているイメージがある。つまり対応力に幅が出てきているのだ。

【次ページ】 ファームでの練習を糧に

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