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南野拓実の新天地「モナコ」意外と知らないマメ知識…“伊東純也の恩師”が覚醒のカギ、ライバルは?《王妃も縁ある高貴なクラブ》 

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杉山孝

杉山孝Takashi Sugiyama

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posted2022/06/29 17:02

南野拓実の新天地「モナコ」意外と知らないマメ知識…“伊東純也の恩師”が覚醒のカギ、ライバルは?《王妃も縁ある高貴なクラブ》<Number Web> photograph by Getty Images

リバプールでは充実した時間を過ごすも、出場機会が限られていた南野拓実。新天地モナコで輝きを放てるか

 前線の柱は、1トップのフランス代表FWウィサム・ベン・イェデル。PKでの8得点があったものの、昨季のゴールランキングではムバッペに3点差の2位につけた。トップ下に入る9アシストのケビン・フォラントは、セカンドストライカーとしても働ける。まゆつばではあるが、バルセロナが興味を持つとの噂もあるベン・イェデルが移籍すれば、南野の1トップ、あるいはフォラントとの2トップもあり得るか。ただし、現状のメンバーが残るなら、本職は右サイドバックのバンデルソンと、2列目右サイドを争うことが濃厚かもしれない。

 ポジションと同様に気になるのが、南野のチーム内での「立ち位置」だ。前述のベン・イェデルは今年で32歳、フォラントは30歳になる。主力のほとんどは20代前半で、35歳のセスク・ファブレガス、29歳のジブリル・シディベが、すでに退団している。ミチェルSDは今回の移籍市場で「経験のある選手」を欲していると発言しているが、27歳の南野はどんな存在としてとらえられているのだろうか。

 この夏、まずは22歳の守備的MFオレリアン・チュアメニがモナコを後にした。レアル・マドリーが8000万ユーロを支払うという、モナコにとっては久々の大商いだ。

 ミチェルSDは1年半前、こう語っていた。

「ヨーロッパの大会に出ることはマストなのか? 私はそうは思わない。必須なのは、将来において確実に成功を収めるための強固な土台をつくることだ。私が離れた時のライプツィヒ、あるいはトッテナムのような、ダイナミックでアグレッシブ、若くハングリーで強度の高いチームは、フットボールを正しい方法でプレーできるだけではなく、相手を上回り、さらには移籍市場でのサイクルへ乗ることになる」

 目の前の勝利をもたらす経験ある選手の獲得に加え、クラブの未来をプレー、あるいは移籍金で切り拓く若手の成長を促すことが、モナコの両輪となっている。

マドリーを追われたファルカオ

 モナコにはかつて、ラダメル・ファルカオ、ハメス・ロドリゲスといった世界的なアタッカーも所属した。若きハメスは加入1年後、ブラジル・ワールドカップでの“あの一発”でレアル・マドリーに引き抜かれたが、ファルカオは、南野と同じく20代後半でモナコにやってきた。その1年後、ローン移籍ながら2シーズン連続でプレミアに挑戦している。

 南野の未来は、どこにあるのか。自らとクラブを前進させる作業が始まる。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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