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12球団スカウトが注目するドラ1候補・金村尚真(富士大)のリアルな評価…選手権1回戦負けも「この感じ、誰かに似てるな」 

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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posted2022/06/13 17:01

12球団スカウトが注目するドラ1候補・金村尚真(富士大)のリアルな評価…選手権1回戦負けも「この感じ、誰かに似てるな」<Number Web> photograph by Yu Takagi

全日本大学野球選手権・大阪商業大戦に登板した富士大・金村尚真投手(4年)。ドラフト1位候補として堂々のピッチングを披露した

 富士大のある花巻市は降雪量が多く、12月から2月にかけて3カ月もグラウンドで練習ができないほどだ。しかし、過去の先輩たちがそうだったように、この期間こそ力をつける絶好の機会だ。金村は「ピッチングや遠投ができないからこそ、ウェイトトレーニングやフォームの細かい修正などに向き合うことができます」と前向きに捉えている。

 この冬は空振りが取れるストレートのキレを追い求めた。その結果、平均球速が上がり最高球速も150キロと自己最速を更新。リーグ戦での奪三振の割合も増えた。

 そして、何よりも武器なのが四球を不用意に出さず自ら崩れないことだ。リーグ戦では39回3分の2を投げて四死球はわずかに2つ。大学選手権では10イニングを投げたが1つも与えず8三振を奪った。金村自身も投球をする上で大切にしており、自らの長所と認識している。

「コントロールに苦労したことはありませんがメチャクチャ良いとは思っていません。僕より狙ったところに投げられる投手はたくさんいると思うのですが、フォアボールを出さないことは長けていると思います」

 誰もが出したくはないが出してしまう四死球を自らで抑えることができる技術力と精神力は、この先も金村の強みとなっていきそうだ。

「秋に向けてストレートも変化球も見つめ直していきます」

 今後の抱負を聞かれると、そうキッパリと答えた金村。秋にさらに進化した姿を見せれば、チームのさらなる躍進はもちろん、10月20日のドラフト会議でも早くに名前が呼ばれそうだ。

 凛々しく逞しく、エースの風格漂う姿をプロ野球の世界でも見せてくれることを少し気は早いが期待したい。そう思わせてくれる存在感が既に金村にはある。

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