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東洋大エース・村上頌樹はプロ向き。
4年間の研磨でドラフト上位候補へ。

posted2020/07/19 11:40

 
東洋大エース・村上頌樹はプロ向き。4年間の研磨でドラフト上位候補へ。<Number Web> photograph by Kyodo News

2016年センバツを制した実績を持つ東洋大・村上頌樹。高校時代に凌ぎを削ったライバルや大学の先輩たちの活躍に刺激されながら、着実に成長してきた。

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栗田シメイ

栗田シメイShimei Kurita

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Kyodo News

「大学に進んだという自分の選択は間違いじゃなかったと思っています。甲子園優勝投手といっても、プロの先輩方の中には経歴も投げる球も自分よりも上の方がたくさんいる。大学野球で力をつけることができたからこそ、更に上の舞台でやっていきたいと思いました」

 長い自粛期間があけ、練習再開日となった6月下旬。リモートインタビューに応じた東洋大のエースはこう決意を表明した。

 智弁学園高時代、春の選抜で甲子園優勝投手となった村上頌樹は、プロ志望届を出すことなく東洋大学へと進学している。レベルの高い東都リーグで揉まれてきた村上はプロで勝てる投手を目標とし、研鑽に励んできた。現在では大学球界屈指の投手の評価を得て、今秋のドラフト上位候補として名前が上がる存在へと成長を遂げた。

「この先もまだまだ伸びるでしょうね」

 智弁学園が選抜で全国の頂点に立ったのが2016年春。筆者はその年の夏の大会前に取材する機会があった。取材の合間に井元康勝部長と雑談をしている際に、村上についてこんなことを話していたことが印象に残っている。

「先輩の岡本和真(巨人)や廣岡大志(ヤクルト)のように現状では高卒・即プロで上位、というようなタイプじゃないのかもしれない。ただ、それは本人が一番分かっているんですよ。村上は頭が良く、自分に何が足りないのか課題を見つけては、黙々と練習する。努力を一切惜しまない男で、納得するまでやり続ける。この先もまだまだ伸びるでしょうね」

 実際、この談話を象徴するような出来事もあった。

 当時の投球練習で得意球のチェンジアップを見事なまでに低めに集めていた村上だが、険しい表情を浮かべ首を傾げていた。

「秋季大会の大阪桐蔭戦でボコボコに打たれたことで意識が変わったのかもしれません。あの時は桐蔭打線を前に、『打たれたらどうしよう』と思いながら投げて、結果的に打たれた。その悔しさがずっと自分の中に残っていて……。それ以降は練習でも試合でも『桐蔭にこの球は通用するのか』と想定してやっています。自分の中で納得できる基準が変わり、よりピッチングを深く考えるようになりました」(村上)

 3年春は優勝投手となり、夏もチームを甲子園出場に導いた。選抜ではエースとして5試合を1人で投げ抜き、失点はわずかに3と抜群の安定感をみせている。

【次ページ】 「プロ注目」もあっさり進学を決断。

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