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<W杯E組>「ブンデス強豪在籍・市場価値56億円のスペイン代表MF」が語る、両国リーグの意外な違い「スペインの方がゴールさせないことに…」
posted2022/06/13 11:01
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph by
Getty Images
異色のキャリアを歩んできたスペイン人MFが、充実の時を迎えている。
ダニ・オルモは16歳のときにバルセロナの下部組織からクロアチアのディナモ・ザグレブへ移籍し、2020年1月、21歳のときにドイツのRBライプツィヒに引き抜かれた。2カ月前にスペイン代表デビューを飾っていたものの、ラ・リーガでのプレー経験がゼロのため、まだスペインでは注目される存在ではなかった。
だが、ユリアン・ナーゲルスマン(現バイエルン監督)率いるライプツィヒで次第にポジションを掴み、19-20シーズンのCL準々決勝のアトレティコ・マドリー戦では先制ゴールを決め、クラブ史上初のCLベスト4進出に貢献した。
2021年のユーロのメンバーに選ばれると、決勝トーナメント1回戦クロアチア戦の延長戦で2アシストをあげ、準決勝・イタリア戦でもアシスト。ルイス・エンリケ率いるスペイン代表でも、左FWとして欠かせない存在になりつつある。
そして2022年5月にドイツ杯で優勝し、ライプツィヒに念願の初タイトルをもたらした。
24歳の攻撃的MFは現状をどう捉えているのか? ライプツィヒのクラブハウスで話を聞いた(翻訳:木崎伸也)。
ボールを愛でるように触るのがスペインだ
――あなたは16歳でスペインを離れ、クロアチアでプロデビューし、現在ドイツでプレーするという珍しいキャリアを歩んでいます。あなたから見たスペインサッカーの特徴を一言でいうと?
「ポゼッション、ポゼッション、ポゼッションだ(笑)。スペインの選手は優れたスキルセットを持っていて、ボールの扱いに絶対的な自信を持っている。ボールを愛でるように触るのが特徴だ」
――すでに国際舞台の経験も豊富なあなたから見て、スペイン代表を率いるルイス・エンリケ監督の特徴は?
「メンタル面へのアプローチが優れていると思う。ルイス・エンリケ監督は常々、たとえリードされても絶対に諦めるなということを強調している。昨年のユーロのクロアチア戦がまさにそうだった。
先制されたが追いつき、リードしたあと逆に追いつかれたが、延長で2点を取ってスペインが5対3で勝利した。準決勝のイタリア戦では最終的にPK戦で敗れたが、1度は追いついた。どちらの試合も自分がアシストできて嬉しい。今のスペイン代表には、最後の笛が鳴るまでチームを信じて戦う雰囲気ができあがっている」
――ルイス・エンリケの戦術的な特徴は?