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イニエスタ38歳「オコノミヤキがお気に入り」「地下鉄にも乗りましたね」家族で育む“日本愛”とバルサ来日での思い出〈インタビュー〉
posted2022/06/05 17:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
PIA CORPORATION
5月11日、38歳になった稀代の名手が、ようやく笑顔を見せていた。
14日のJ1第13節サガン鳥栖戦、先発してキャプテンマークを巻いたアンドレス・イニエスタは開始早々の2分、酒井高徳からのパスを絶妙なファーストタッチから右足でゴールに流し込み、今季2ゴール目をゲット。14分には代名詞のラストパスで汰木康也の追加点をアシストするなど4-0の快勝、そして神戸にとって今季初となるリーグ戦勝利に大きく貢献した。
「うまくいくときも、そうでないときもありますが、自分はピッチで最大限チームに尽くそうとしました」
フラッシュインタビューでこう語っていたイニエスタ。負傷離脱などでピッチに立てず、苦しむ期間があったものの、気付けばJでのプレーは5シーズン目となった。決してさび付くことのない妙技をピッチで見せるとともに……彼自身、そして妻のアンナ・オルティスさんは時に、日本での生活をエンジョイしている様子を伝えている。
「日本にはユニークなスポットがたくさんある」
「日本にはユニークなスポットがたくさんある」
イニエスタは「獅子殿」という大きな獅子の中に境内がある大阪の難波八坂神社をバックに写真に収まっていた。またアンナさんも神社や商店街を歩く様子をインスタグラム内で披露している。
普通に神戸の街中で出会ったら卒倒してしまいそうだな……と考えながら、イニエスタにとって日本に来てから初の著書となる『イニエスタ・ジャパン!』を読んでいると、バルサ時代やJリーグでのサッカーの話とともに、日本での生活について嬉しそうに語っているのが印象的だった。
「私は日本が大好きです。神戸の生活が大好きです」
こんな言葉を残しているイニエスタに、20分ほど話を聞けることになった。サッカーの奥深い話はもちろん聞きたい。だが、今回はその気持ちをギュッと抑えて、このテーマで一点突破することにした。
イニエスタさん、日本生活はどんな感じで楽しんでいるんですか?
「特にバルセロナから日本、神戸に来たことは自分の人生にとって大きな出来事でした。それを語りたかったのと、日本に来てからいろいろな経験がありました。それを(書籍で)共有したかったんです」
こう切り出してくれたイニエスタに、「4年間の生活で感じた日本」について聞いてみた。
バルサ時代に日本に来たことがありますが…
――ヴィッセルに加入される前、日本に対するイメージはどういったものでしたか?