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《日本ダービー》イクイノックスの“大外18番枠”から馬券に絡んだのは「過去10年でわずか1頭」… 状態抜群、優勝の可能性がある馬は?
posted2022/05/28 11:04
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Keiji Ishikawa
先週のオークス同様、有力馬が大外枠を引いてしまった。
混戦ムードに拍車がかかり、「競馬の祭典」第89回日本ダービー(5月29日、東京芝2400m、3歳GI)の予想がいちだんと難しくなった。
同じコースで1週間しか日程が違わないのに、オークスとダービーとでは、枠の内外による有利不利の傾向が大きく異なる。
大外枠から馬券に絡んだのは「過去10年でわずか1頭」
オークスの1枠1番は、1946年のミツマサを最後に、76年も勝ち馬が出ていない。それに対してダービーの1枠1番は、過去10年だけで2勝、2着2回という「絶好枠」になっている。
ダービーでは「内枠有利」というのは間違いない。
福永祐一のダービー初勝利となった2018年のワグネリアンが引き当てたのは、8枠17番だった。枠順を知ったとき、管理する友道康夫調教師は「目の前が真っ暗になった」という。
とはいえ、ワグネリアンは勝ったのだし、先週のオークスでも大外18番のスターズオンアースが見事な勝利をおさめたのだから、外枠がまるでノーチャンスというわけではない。が、過去10年のダービーで、大外18番枠から馬券に絡んだのは17年に3着になったアドミラブルだけというデータが示すように、不利であることは確かだ。
今年のダービー大外枠はイクイノックス
そんな大外18番枠を、皐月賞で2着となり、「ダービーは大きなチャンス」と鞍上のクリストフ・ルメールに言わしめたイクイノックス(牡、父キタサンブラック、美浦・木村哲也厩舎)が引いてしまった。
それでも、1番人気に支持されるのはこの馬だろう。
皐月賞はキャリア3戦目で、約5カ月ぶりの実戦だった。しかも、初の右回りコース。このときも大外枠だったため、道中、前に馬を置いて我慢させることができなかった。さらに、1、2コーナー中間で他馬に接触する不利があったにもかかわらず、直線なかほどでは突き抜けるかと思わせる脚を使った。
伸びやかなフットワークと、昨年の東京スポーツ杯2歳ステークスで見せた走りなどから、小回りの中山より、広くて直線の長い東京のほうが絶対にいい。