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《日本ダービー》イクイノックスの“大外18番枠”から馬券に絡んだのは「過去10年でわずか1頭」… 状態抜群、優勝の可能性がある馬は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/05/28 11:04
皐月賞では2着となったイクイノックス。ダービーでは大外枠からの戴冠を狙う
トウカイテイオーのダービー再現に期待?
木村調教師が「牝馬を扱っているような感覚」と言うように、レースで走ると背腰に負担がかかってしまうので、こうして間隔を取って使われている。同師は「皐月賞の状態をいい意味でキープし、一度使った上積みで勝負していくイメージ」と、やや控えめとも思えるコメントをしているが、高揚しそうな気持ちを抑えた結果の言葉だろう。
皐月賞の直線で抜け出しかけた末脚はこの馬の非凡な素質によるもので、そのあと内にモタれてジオグリフにかわされたのは、休み明けのぶんだったと思われる。
皐月賞でもダービーでも大外枠を引いた馬として思い出されるのは、1991年に圧倒的な強さで二冠馬となったトウカイテイオーだ。ダービーは20番枠からの発走だったのだが、好位の外をスムーズに回り、突き抜けた。
テイオーのパフォーマンスの再現に期待したい。
福永祐一の“ダービー3連覇”がかかるジオグリフ
そのイクイノックスを皐月賞で負かしたジオグリフ(牡、父ドレフォン、美浦・木村哲也厩舎)も順調だ。鞍上の福永祐一には、史上初のダービー3連覇がかかっている。
史上最多のダービー5勝を挙げている武豊が言うように、ダービーには勝ち方がある。それを会得したからこそ、武は1998年スペシャルウィーク、99年アドマイヤベガと連覇したのだろう。四位洋文も、2007年ウオッカ、08年ディープスカイで連覇している。
福永は、前述した18年のワグネリアン、20年コントレイル、そして昨年のシャフリヤールと、この4年でダービーを3勝という独占ぶりだ。名手がどんな「ダービーの勝ち方」を見せてくれるか、注目だ。