欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「山の斜面にスタジアム」「守田英正のお薦め料理は…」日本代表MFが戦う“離島クラブ”は美しい風景とグルメ満載だった《現地で撮影》
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/05/14 06:00
守田英正が奮闘するサンタクララ。そのホームタウン、サンミゲル島はどんなところなのか
ヨーロッパ内を旅するときの小さなこだわりがある。
ホテルの朝食を付けない。どんな小さな町に行っても、都内のコンビニと同じくらいの間隔でカフェがある。
ホテルの周りを散策し、こぢんまりとしたカフェに飛び込む。
カテドラルのある中心広場から一本外れたSao Joao通り、その1番地に、そのまま名付けられたコーヒー店“Sao Joao”があった。コーヒーとポルトガル名物のパステル・デ・ナタを頼む。店長と、朝のひと時を過ごす地元民の会話を眺めていると、その街の空気の一端を掴めたような気がしてくる。
時には、「お前どこから来たんだよ!?」なんて言葉から小さな会話が生まれる。「もうちょっと、しょっぱい系ない?」と聞くと、「今オーブンの中だから、あと30分後だな」と返ってくる。
この街の時間はゆったりと進んでいる。
至る所に放牧された牛が(クラブマスコットも牛)
街の中心地は、白と黒を基調に構成されている。黒いタイル張りの地面に、白いタイルでラインやモザイクが描かれる。住居も白壁が多い。勾配のある一方通行の細い道が入り組む。
レンタカーを走らせて島の高台に向かう。海岸沿いの平地に小さな街が構成されているのが分かる。雨が多いからだろう、緑の色が濃い。そして至る所に放牧された牛を目にすることができた。ちなみにサンタクララのマスコットも牛だ。
海に囲まれた地域柄、海鮮料理に頭は持っていかれていたが、街のスナップ撮影中、突然の雨に打たれ、雨宿りのため飛び込んだお店は、島自慢の牛肉を使ったステーキハウスだった。
起伏ある広大な大地で放牧され育てられたアソーレス牛。
テーブルの上に置かれ熱せられた火山岩で自ら火入りを調整するスタイル、雨に降られるカメラマンも悪くない。
ナゾの巨大な露天風呂も
さらに車を走らせ、山間の温泉街フルナスにも向かった。
本誌原稿にも出てくる、守田も訪れた巨大な露天風呂は日本人にはややぬるい。黄金色とも評されるその水は、天気の影響もあってか一見、“泥水?!”と思ってしまったほど。
実際間近に見ると、かなり鉄分が多く含まれているのだろう、オレンジ色を強く感じる。黄土色ということにしておきたい。
水着着用で、ちょっとしたプールよりも広く、結構深い。この温泉をめがけて、コロナ以前は多くの観光客が訪れていたという。
守田お薦めの名物料理とビールに舌鼓を打った
またこの町ならではの料理として、各種肉や野菜を入れた鍋を地中に埋め、火山の地熱を利用して煮込んだコジード・ダ・フルナスがある。