【ドラ1候補・高校生編7】武元一輝（投手・智弁和歌山高・187cm88kg・右投左打）

「去年の夏の甲子園で、1イニングだけリリーフで投げたんですよ。代わりばなで、いきなり146、148（キロ）だの、立て続けに投げて。ストレートは全部140キロ台。びっくりしましたね。テークバック、腕の振り、体重移動……いいもの持ってるんですけど、もう気負って投げ急いで。体は開いちゃっても140キロ台なんですから、間違いなく大器ですよ。もっとびっくりしたのは、その後の秋。県大会で結構打たれて、6回ぐらいでレフトに回ったんですけど、そこから2打席続けてライトに放り込んだ。4、5点取られて、かなりショックだったはずなのに、すぐに気持ち立て直して、いい根性してるなぁと思いました。勝負球になるような変化球とか、課題はあるんですけど、“器”でいったら、1位でもおかしくないと思いますよ」（Aスカウト）

【ドラ1候補・高校生編8】森山暁生（投手・阿南光高・182cm82kg・左投左打）

「私自身は、去年の夏の甲子園しか見てないから、あんまりよくわかってないんだけど、四国担当のスカウトは評価の高い人、多いですよ。チーム背負って、相手に立ち向かっていく姿勢がいいって。スライダーにツーシームですかね……変化球を上手に投げ分けるみたい。いい時は、両サイドビッシビシで、手がつけられないらしいですよ。ちょっと無理すると腰にくるって聞いたけど、そこが心配だね」（Aスカウト）

【ドラ1候補・高校生編9】浅野翔吾（外野手・高松商高・171cm86kg・右投両打）

「いやあ、浅野はいいと思いますよ。全部揃ってる。去年の夏の甲子園見て、びっくりしましたよ。智弁和歌山の中西（聖輝・現青学大）でしたっけ……剛腕ですよ。その中西の低めのスライダーをレフトの中段ですからね。打ち方がいい。バッティングセンス抜群でしょう。タイミングのとり方も上手いし、鉄砲肩だし、足も使える。大阪桐蔭の頃の平田（良介・現中日）より上じゃないかな。使えば、1年目から使えるバッターですよ」（Aスカウト）

　小さいんじゃないの？の声には、

「バッテリーの視点でいうと、同じ力量だったら、小さいバッターのほうが絶対イヤ。ストライクゾーンが小さくなるから、甘いコースに入りやすい」（Aスカウト）との答えだった。

　これまでにないほど混戦のドラフト戦線のようだから、読者の方たちにも「この選手だって！」という存在があるに違いない。

　夏の甲子園大会にかけて、ここに挙げた9選手が、10人を超えるのか、6人、7人に減っていくのか……顔ぶれは変わっていくだろう。

　次回は、大学生、社会人から、合わせて16選手だ。

＜大学生・社会人編へ続く＞