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“久保建英は上手い”一方で…逃した決定機と残留への勝ち点 数日前に撮った“CLで強すぎるレアル”とのコントラスト〈撮影者の視点〉 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2022/05/11 11:05

“久保建英は上手い”一方で…逃した決定機と残留への勝ち点 数日前に撮った“CLで強すぎるレアル”とのコントラスト〈撮影者の視点〉<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

グラナダ戦の久保建英。試合最初の決定機を含めて得点の匂いは漂っていたのだが

 失点から3分後、マフェオのクロスに最終ラインから駆け上がってきたキャプテンのライジョが飛び込んで2-3と1点差に詰め寄って、強い気持ちを見せます。ゴール裏のサポーターもそれに応えるように、一段と声援を強めました。

チグハグなチームの中で期待に応えられなかった久保は……

 その声援に後押しされるようにマジョルカは久保、イ・ガンインを中心にボールをつないでグラナダゴールを目指しますが、リードするグラナダの守備ブロックを崩すことができず時間が進みます。

 アギーレは、先制点を挙げたセビージャとダニ・ロドリゲスに代えて、サンチェス、アンヘルを投入し、中盤を活性化させよう……としたはずですが、その直後の69分に、40歳のベテランFWモリーナにミドルシュートを決められてしまいました。この時間帯での突き放される失点に、思わずうつむくマジョルカの選手達の姿がカメラに映ります。

 マジョルカの必死の反撃も続いていましたが――78分、モリーナのアシストでグラナダが5得点目。

 スタジアムはグラナダにではなく、マジョルカに対してブーイングを始めました。試合終了を待たず、早々と出口へ向かうファンも増え始めました。悪い流れは終わらず、終了間際90分、モリナの2得点目でスコアは2-6となり、試合は終了。リーガ前半戦グラナダのホームでの試合でも、モリナはマジョルカ相手にハットトリックをしており、引き続いての大活躍となりました。

 マジョルカの中、一人気持ちを前面に押し出し駆け回り、終了と同時にピッチに倒れ込んだマフェオには歓声が送られました。その倒れ込んだマフェオの元に最初に駆け寄ったのは相手チームのキャプテン。マジョルカのうまくいっていないチグハグさを表しているようでした。

 マジョルカのメンバーは、最後まで残るゴール裏ファンの元へ挨拶に来ました。顔を覆いうつむく久保の姿は、祈りにも、ファンへの謝罪にも、期待に応えられなかった自身への悔しさにも見えました。

ベルナベウで見たレアルの主力たちのたくましさ

 この試合の数日前には、サンティアゴ・ベルナベウでCL準決勝レアル・マドリーvsマンチェスター・シティ戦で、劇的なマドリーの逆転劇を撮影していました。

 舞台が違うので単純に比較はできないですが――ピッチから数メートルの距離で撮影するビニシウスの強さ、倒れるまで走り続けるベンゼマやモドリッチから感じた必死さを、この日のマジョルカのメンバーから感じることはほとんどありませんでした。

 今節は残留争いの渦中にあるレバンテ、カディス、グラナダが勝利し、マジョルカは再び降格圏に落ちてしまいました。

 次節は、中3日での週中開催と厳しい日程の中、CL出場権を争う好調セビージャが相手。アギーレがどのような布陣で臨むのかも気になりますが、気持ちが伝わる、ファンを納得させられる戦いを期待します。

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