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“久保建英は上手い”一方で…逃した決定機と残留への勝ち点 数日前に撮った“CLで強すぎるレアル”とのコントラスト〈撮影者の視点〉
posted2022/05/11 11:05
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。久保建英の戦いぶりを、現場の空気とともに臨場感たっぷりにお届けする(外部サイトでご覧の方は関連記事などの「新着写真」からプレー写真をご覧になれます)。
勝利を期待するサポーターが発煙筒を焚いて
5月7日、リーガ35節RCDマジョルカvsグラナダ戦撮影のため、ビジット・マジョルカ・スタジアムを訪れました。
今節を含め残すところ4試合となった“La Liga”は、レアル・マドリーの優勝がすでに決まっています。しかし、下位3チームが2部へと降格となるため、マジョルカを含めた該当チームの残留争いは熾烈を極めるものとなっています。
選手の乗ったチームバスが入ってくる際には、道の両脇をびっしりとサポーター達が埋め尽くし、選手を迎え入れました。焚かれた発煙筒の煙の中、白バイに先導されたバスがゆっくりと進んでくる様子は、映画のワンシーンのようでもあり、熱狂の渦に飲み込まれました。
この日、チームはスタンドを赤いユニホームで埋め、サポーターからの後押しを受けるために――また、相手チームに強烈なプレッシャーをかけるために、巨大な鍋で作ったパエージャを無料でファンにサービスするなどし、チケットも売り切れていました。
いつも以上に多くのファンのスタジアムに向かう姿があり、その中には「TAKE」のユニホームを着た姿も多く見られました。
対するグラナダは、マジョルカより順位が下である残留争い直接のライバル。勝てば大きく残留に近づくこの一戦で、アギーレ体制では2度目となる久保の先発が発表されました。ピッチ上では、アップ中の選手同士が気合を入れ合う姿が見られ、久保の表情も気合の入った精悍なものでした。
久保が巧みに抜け出たシュートの判断は良かったが
25度を超える暑さの中、14時にキックオフされた試合は、開始早々に一つの山場を迎えました。グラナダのペナルティーエリア手前から久保がドリブルを仕掛けると、相手へのディフレクションもあり、ボックス内で久保が相手GKと1対1の局面を迎えます。迷わず左足で放ったシュートは、GKの正面に飛び、弾かれてしまいました。
ゴール正面に走り込んだFWムリキが、久保に“パスを出せ”と怒る姿もありました。ただ迷わずシュートを打ったことは正しい判断だったと感じます。だからこそ、きっちり決め切りたかったところでした。