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「猪木が見たらなんと言うだろうか」オカダ・カズチカの延髄斬りに沸いた福岡ドームで“新生BC”が大暴れ「新日本、面白くなってきたなと」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/05/08 17:01
オカダ・カズチカは内藤哲也に延髄斬りを見舞い、レインメーカーでIWGPヘビー級王座V4を達成。しかし試合後、ジェイ・ホワイトの襲撃を受けてKOされた
「コピーするなら…」オカダの延髄を猪木はどう見るか
福岡でのIWGP世界戦を振り返りたい。オカダは内藤のフランケンシュタイナーをコーナーからのパワーボムで切り返して、まさかの延髄斬りを繰り出した。オカダが延髄斬りを使うのはたぶん初めてだろう。少なくとも、筆者が生で見たのは初めてだった。
オカダはこのところアントニオ猪木を意識しているのがわかる。4月9日の両国国技館では卍固めを使った。猪木は「コピーするならうまくコピーしてくれよ」と言っているが、オカダの延髄を見たらなんと言うだろうか。
オカダは卍固めに行きかけたが、足はかけずに、そのまま持ち上げると内藤をリングに落とした。そして、最後は強烈なレインメーカーで止めを刺した。
21年ぶりの福岡ドームは8162人。“善戦”という見方もあるだろうが、器の大きさを考えれば、やはり少ない。そう簡単には埋まらないだろうことは予測されたが、客を入れるのはメインイベンターの使命だ。いつまでもコロナのせいばかりにはしていられない。
「客席を見て寂しい部分もありましたし、だからこそ燃えますよね。『うわっ、入んなかったな』じゃなくて、また(福岡ドームに)戻って来たいし、超満員の中でやりたい。もちろん、それは東京ドームにも言えること。それを一つのモチベーションとして、チャンピオンとして戦えているという部分もあると思います。ボクたちはリング上の戦いをしっかりやるのが一番ですし、お客さんに満足して帰ってもらうことが一番だと思うので」
プロ野球にはファンが戻り、Jリーグも徐々に客足が伸びてきている。参考までに付記すると、3日に博多から少し離れた鳥栖で行われたJリーグのサガン鳥栖vsセレッソ大阪には、1万4055人のサポーターが詰めかけた。
オカダが口にした不満と“最強”の自負
6月12日には大阪城ホールで恒例のビッグマッチ『DOMINION』が開催されるが、ここではオカダvsホワイトのIWGP世界戦が行われる。
オカダとホワイトが最後にIWGPを戦ったのは、2019年4月6日のニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンだ。