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「猪木が見たらなんと言うだろうか」オカダ・カズチカの延髄斬りに沸いた福岡ドームで“新生BC”が大暴れ「新日本、面白くなってきたなと」
posted2022/05/08 17:01
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
勝者が勝者であったのは数分間だけだった。
5月1日、福岡PayPayドームで内藤哲也を下してIWGP世界ヘビー級王座を防衛したオカダ・カズチカだったが、試合後に姿を見せたジェイ・ホワイトによってKOされてしまった。
試合をしないのに、ただ、キャンペーンのためだけに福岡にやってきた男たちがいた。バレット・クラブ(BULLET CLUB)のドク・ギャローズ、カール・アンダーソン、ジュース・ロビンソン、そして、ジェイ・ホワイトだ。しばらく日本のリングを離れていた彼らは“コロナ隔離”がなくなった今、大挙して来日していた。
“覆面の男”ロビンソンら新生BCが大暴走
“予告編”があったギャローズとアンダーソンは「やっときたか」という感じだったが、アンダーソンのマシンガン・ポーズは健在で格好良かった。ギャローズに至っては、立っているだけで十分な凄みを感じた。
覆面姿の男は、新たにバレット・クラブに加入したロビンソンだった。覆面を脱ぎ捨てても、一瞬「誰だ?」と思ってしまった。ロビンソンは石井智宏を倒して新US王者になったばかりの棚橋弘至を担ぎ上げるとキャンバスに叩きつけ、ベルトを掲げてみせた。
これは14日にワシントンDCで行われる『Capital Collision』への一大デモンストレーションであり、キャンペーンだが、イメージチェンジしてパワフルになったロビンソンは面白い存在かもしれない。
ロビンソンは棚橋に挑戦するが、王座戦はシングルマッチではなく4WAY。残りの2人は棚橋の名前を挙げていたジョン・モクスリーと、2度目の新型コロナウイルス感染で福岡大会を欠場したウィル・オスプレイだ。4WAYということでゲーム感が強いが、棚橋の初防衛戦はちょっと厄介なものになった。
ホワイトもまた、いつものペースでオカダをKOした。2度もブレードランナー(回転式顔面砕き)でオカダをマットに叩きつけて、中身が大きく入れ替わったバレット・クラブの勢力を誇示した。