酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
佐々木朗希の前代未聞「52人連続アウト詳細」を見てみる… 過去の完全試合直後の成績は?《Mr.サンデーパーフェクト継続中》
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2022/04/18 17:02
8回“完全投球”でマウンドを降りた直後の佐々木朗希
理由としては、1960~70年代はローテーションが確立していなかったからだが、先発・救援を掛け持ちするクラスの投手が突然変異的に完全試合を達成したとみることもできる。
次の試合も勝利を挙げた投手は4人いるが
次の試合も先発して勝ち投手になったのは1957年国鉄・金田正一(完投)、1970年近鉄・佐々木宏一郎、1971年東映・高橋善正(完投)、1978年阪急・今井雄太郎(完投)と4人いるが、完封勝利はいない。
次の登板で自責点0だった投手は1966年の大洋・佐々木吉郎と今回の佐々木朗希だけ。1964年5月1日の広島戦で完全試合を達成した佐々木吉郎は次の阪神戦で3番手投手として登板し、3回を零封、勝利投手になっている。しかし3被安打1与四球だった。そして次の5月7日の中日戦では先発して9回完投するものの5回に失点している。
“無走者”状態が17イニングも続くのは前代未聞
そして繰り返しになるが――今回の佐々木朗希は失点はおろか、1人の走者も出さなかった。
佐々木は4月3日の西武戦で8回まで投げたが、その8回2死から鈴木将平に左中間に二塁打を打たれた。これが佐々木が打たれた最後の安打であり、許した最後の出塁だ。その後、岸潤一郎を空振り三振で抑えて以降、17日の8回まで52人連続でアウトに取り、17.1回続けて走者を出さない投球を続けている。
連続イニング無安打記録は、大陽ロビンスの真田重蔵が1948年9月6日の大阪タイガース戦で達成したノーヒットノーランの前後に記録した16イニングだとされる。しかし真田はノーヒットノーランの試合でも失策の走者を1人出している。
佐々木朗希のように、無走者で17回連続で投げた投手など、これまで1人もいなかった。
4月10日と17日の佐々木朗希の投球内容をもう少し詳しく見てみよう。
<4月10日、オリックス戦 ZOZOマリンスタジアム>
9回105球27打者0被安打0与四球19奪三振、失点自責点0
◎アウトの内訳
・空振り三振 15
・見逃し三振 4
・内野ゴロ 5(一塁1、二塁2、三塁1、遊撃1)
・外野フライ 2(中堅1、右翼1)
・捕邪飛 1
<4月17日、日本ハム戦 ZOZOマリンスタジアム>
8回102球24打者0被安打0与四球14奪三振、失点自責点0
◎アウトの内訳
・空振り三振 12
・見逃し三振 2
・内野ゴロ 4(一塁1,二塁1、遊撃2)
・外野フライ 5(左翼3、中堅1、右翼1)
・捕邪飛 1