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《佐々木朗希と“幻の完全試合”伝説》山井→岩瀬の落合采配は井端も納得の「最善策」、西口文也は“9回完全”だったが…

posted2022/04/18 11:01

 
《佐々木朗希と“幻の完全試合”伝説》山井→岩瀬の落合采配は井端も納得の「最善策」、西口文也は“9回完全”だったが…<Number Web> photograph by JIJI PRESS(C),Sports Graphic Number(L,R)

中日時代の落合博満監督と佐々木朗希、現役時代の西口文也。「幻の完全試合」で注目を浴びることになった

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NumberWeb編集部

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雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は「幻の完全試合」にまつわる3つの言葉です。

<名言1>
完全試合しても1勝。完封しても1勝。途中で交代しても勝てれば1勝。重みは違うにしても1勝は1勝。
(西口文也/Number781号 2011年6月23日発売)

◇解説◇
 ノーヒットノーラン達成目前となった8、9回にその試合初安打を許す。最近では「ノーノ―未遂」などとも評されるが、その悲劇を完全試合も含めて立て続けに味わったのは2005年の西口文也だ。

 5月13日の巨人戦で9回2アウトから初安打を許した事が話題になった西口が、さらなる“幻の大記録”として語り継がれるようになったのは、8月27日の楽天戦だった。

 この日の西口は絶好調で、9回、27人を無安打どころか無四球で抑えていた。まさに完全試合ペースだったが……味方打線もここまで無得点。つまり0-0のまま10回のマウンドに立つことになったのだ。

 10回の先頭打者に初ヒットを許し、西口の快投は参考記録で“幻の完全試合”となった(10回裏に西武はサヨナラ勝ちし、西口は1安打1四球で完封勝利)。当時の出来事について西口は「悔しかったかな」と口にしたが、その悔しさとは「ノーアウトでランナーを出したこと」だったという。大記録よりも目の前の1勝。エースとして最優先したものは、勝利だった。

岩瀬が感じた「重圧」と、井端が語った「最善の策」

<名言2>
ものすごい重圧だった。人生初めてです、こんなの。
(岩瀬仁紀/Number691号 2007年11月8日発売)

◇解説◇
 2007年、中日vs.日本ハムの日本シリーズ第5戦。優勝に王手をかけた中日の先発・山井大介は8回までパーフェクトピッチング。日本シリーズ史上初の完全試合達成かと思われたが、落合博満監督は9回に山井に代えて、岩瀬をマウンドに送り込んだ。

 マウンドを譲られた守護神は、強烈なプレッシャーと戦いつつ、日本ハム打線を三者凡退に抑えて、日本一をもぎとった。日本シリーズ史上初となる“完全試合リレー”は成立したが……当時、落合采配に野球評論家、識者らはまさに賛否両論となった。

 しかし、ショートを守っていた名手・井端弘和はこのように話していたことがある。

【次ページ】 6回くらいから、まずいぞ……という空気が

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