「ベルギーで試合を観ていました」と鎌田は振り返る。「あの時のフランクフルトのサポーターの凄さは、テレビからでも伝わりました。このスタジアム（インタビューは本拠地ドイチェ・バンク・パークで行われた）が満員になると、本当に特別な雰囲気になるんです」

「どことやっても勝てる自信はある」

　フランクフルトは1980年にヨーロッパリーグの前身のUEFAカップを制している。鎌田や彼のチームメイトは、そこまで古い話は「正直、しない」そうだが、今のチームなら、「どことやっても勝てる自信はある」という。

　実際、バルセロナが今季、2度も0-3と完敗したバイエルン・ミュンヘンには、「毎年、1度は勝っている」し、今季も1勝1敗と五分に渡り合っている。

　ヨーロッパリーグに特化したインタビューで日本代表の話はしていないが、きっと彼は再招集されるために必要なことを考えているだろう。渡欧したばかりの頃、森の中を走りながら、そこで生き抜く術を静かに思案していたように。

　カタールW杯のグループステージで、日本はドイツと対戦する。彼の国のトップレベルで最も継続的に数字を残しているのが鎌田大地だ。相手の手の内を知る攻撃手が必要になる時は、必ず訪れるはずだ。

　そしてバルセロナとの試合もまた、今冬に世界の檜舞台で対峙するスペインとの個人的な予行演習と捉えることもできるか。

　ヨーロッパリーグ準々決勝、フランクフルトのホームで行われる第1戦は、日本時間4月8日（金）の早朝4時にキックオフを迎える。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。