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「戦力外、そう捉えるしかない」日本ハムからノンテンダー通告、秋吉亮が語る“独立リーグの今”「食費1万円に抑えました!」高津監督もLINEで…
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHaruka Sato
posted2022/04/02 11:03
昨年11月に日本ハムから“ノンテンダー通告”を受けた秋吉亮。独立リーグで奮闘する現在の心境やNPBへの思いを聞いた
「献立を考えるのって大変ですね(笑)。練習がない日に近くのスーパーやドラッグストアでまとめて食材を買って料理しています。タンパク質を摂るために肉料理は必ず一品作って、野菜も欠かさないように。冷蔵庫の中のものを色々やりくりして、2月は1カ月間で食費1万円に抑えましたよ!」
GMは元ロッテ、オリックス監督・西村徳文氏
チームメートは練習生も含め30人ほど。ほとんどが高校、大学でアマチュア野球を終えた後もプロ野球への夢を追っている若者たちだ。元プロ選手ながら気さくな人柄の秋吉には、練習方法から技術に至るまで、あらゆる質問を投げかけてくるという。
「最初に集合した時は正直、草野球の練習かな、と思ったほどでした。自分にとっては当たり前だったことを知らない選手も多かったんです。でも、知らない分、伸び代はすごくあって、一言声をかけてあげると劇的に変わることがある。もともとの能力が高いので、技術だったり、意識だったり、きっかけ次第で大きく成長するんですよね。練習中は自分に教えられることは教えています。たった1カ月ですが、すごくレベルアップしているなと感じます」
ロッテ、オリックスで監督を務め、福井の会長兼GMに就任した西村徳文氏は、秋吉の加入について、「結果を出してもらうというのは大前提ですが、それ以上に経験してきたものが若い選手に与える影響は大きい。練習に対する取り組み方など、みんなのお手本としてやってくれている」と期待をかける。
「もちろんプロに比べればレベルは高くないけど、みんなプロに行きたいという夢を持っている選手ばかり。対戦すると相手の打者が元プロ選手相手に力試しと思って全力でぶつかってくるんですよ。だから自分も全力で抑えにいく。自分のチームのことだけでなく、4チームの中からプロに一人でも多く行けるように。もちろん自分も含めてですが、全員でレベルアップしていけるようにしたいです」(秋吉)
「自分のアピールポイントは0に抑える投球」
4月2日開幕の日本海オセアンリーグは、福井に加え富山GRNサンダーバーズ、石川ミリオンスターズ、滋賀GOブラックスの4球団で構成されている。土日祝日の開催を主として1会場に4チームが集まって2試合を戦う「セントラル開催方式」で、年間約60試合行う予定。4チームの選手の中で、本格的にプロ野球で活躍したのはただ一人ということで、秋吉にはリーグの顔としても期待がかかっている。