「自分もスケートボードをやるんですけど、やっぱりスノーボードとは動きが全然違う。カッコつけ方も違う。スケボーやってる人じゃないとわからない、そういう部分をスノーボードに取り入れられたらヤバいんじゃないかと考えてます。今はそこで格闘していて、まだ全然できてない（笑）。でも誰もやっていないスタイルを探すならスケートボードを取り入れていくしかない。そういうところにヒントは隠れている気がします」

超えるべき最強の兄・歩夢のこと「どうだろう…」

　そうやって唯一無二のスタイルを見つけ出した先に、ライダーとしての理想像をどう考えているのだろうか。

「一生忘れられないスノーボーダーになる。そうなるまでは終われないんです」

　と海祝は言った。

　最初はあんなに嫌だったスノーボードなのにねと言うと、

「そうですね（笑）。そうなんですよ」

　とかつての自分を思い出して笑った。

　大きな夢を叶えるために、一番近い目標は次回オリンピックでの金メダル獲得。そのためには「兄ちゃん」にも勝たなければいけない。そんな問いかけに、海祝は「どうだろう……」と少し口ごもった。

「ライバル心とか全くないから、ちょっと照れる感じはあるんです。兄ちゃんに絶対に勝つ！とか思ったこともないから。どうなんだろう。兄ちゃんも負けず嫌いですからね。どこまででもいくと思います、あの人は」

　まだ兄を超える自分の姿は想像できていないようだった。ただし、最初はオリンピックに出ることすら夢のまた夢だったのだ。平野海祝、19歳。これから叶える夢の大きさは計り知れない。

（撮影＝榎本麻美） 

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最強一家の末っ子・平野海祝19歳「週1回ですらめっちゃ嫌だったんですよ（笑）」…学校好きの少年が“本気でスノボーに向き合うまで”

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