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平野歩夢の一番のライバルになれるか?…話題のスノボー解説者が語る“平野家の末っ子”海祝の異才ぶり「あいつはヤバいです(笑)」
posted2022/02/13 17:05
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
JIJI PRESS
金メダルを獲った歩夢はこれからどう進化していくんでしょう。
今回“オリンピックの金メダル“というわかりやすいてっぺんを取って、これからがスノーボーダーとしての本番でしょうね。
彼は人と同じことをやりたがらないので、さらに新しい技を生み出していくのか、スケートボードとの二刀流をもっと追求する可能性もあるかもしれません。
平野兄弟の末っ子として生まれて「面白い選手になる」
ただ、面白いのは歩夢の弟・海祝の存在です。今回の滑りを見てあらためて思いましたが、あいつはヤバいです(笑)。
去年も一緒に北海道で滑る機会があったんですが、お父さんから遊んでないで早く帰ってこい!って連絡が来たみたいで、「もっといたいんですけど、父ちゃん怒ってんすよね」って(笑)。
平野家は一番上に英樹というお兄ちゃんがいますが、歩夢は英樹が父ちゃんから英才教育を受けるのを見ながら要領よく吸収して成長してきた。ただ英樹も、歩夢に負担がかかりすぎないように自分が全部受け止めてきたと、話しているのを耳にしたことがあります。海祝はそんな2人の兄の姿を見て、また違うキャラクターに育ってきたように見えます。2人にはないものがミックスされて、さらに面白い選手になると思いますね。
遊んでいたはずなのに「五輪出場」を決める実力
海祝がファーストヒットで見せた時間が止まったようなメソッドエアは、パイプのリップ(側壁上部)から7.4mというものすごい高さでした。これって世界記録だそうです。
最初にドロップインするときのスピードからして他の選手とは全然違っていて、気持ちが入っているのがわかりました。大会前から「一番高く飛んでやる」と言っていたので、有言実行ですね。高く飛んだとしても、その満足感に浸ってしまって、あとが続かずに散っていく選手は多いんですが、海祝は高く飛べるし、勝つためのポテンシャルも感じさせる滑りでした。