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“阪神が好きすぎる俳優”間宮祥太朗28歳が語る、初始球式のウラ話「どんな球を投げるかより、いかに礼儀正しくするか」 

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谷川良介

谷川良介Ryosuke Tanikawa

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photograph byMiki Fukano

posted2022/03/12 11:03

“阪神が好きすぎる俳優”間宮祥太朗28歳が語る、初始球式のウラ話「どんな球を投げるかより、いかに礼儀正しくするか」<Number Web> photograph by Miki Fukano

ドラマ『奇跡のバックホーム』で主人公の横田慎太郎を演じる間宮祥太朗さん(28)。試合も欠かさずチェックする“大の阪神ファン”である

間宮 もともと肩は強い方だったとは思いますが、あの時は役作りで少し体を大きくしていた時期でした。今より10キロちょっと体重があったので、それも関係していると思います。

――とはいえ、大観衆が見守る甲子園のマウンドで、それだけの速いボールを投げられることはすごいことです。プロを目指していたティモンディ高岸さんも、初めて始球式に登板した時はいつものピッチングができなかったと言っていました(2度目の始球式登板で間宮さんが持つ芸能界最速記録を更新)。

間宮 でも、僕があの時に考えていたことは「どんな球を投げるか」よりも「いかに素早く礼儀正しく終わるか」でした。ファンの方々からすれば、選手を観に来ているわけですから、俳優が始球式をやっている時間なんて興味がないはず(笑)。だからできるだけ手短に、すぐに投げてすぐにマウンドを降りる。それだけは徹底しようと思っていました。

――ファンとしての心構えがすごいですね。

間宮 「僕みたいな者がすみません」という気持ちで、ファンの皆さんに温かい目で見守ってもらえたらいいなと。でもびっくりしたのが、あの始球式以来、どこに行っても年配の方に「いい球放つな」って褒めてもらえるんですよね。おじさん受けがたまらなくいい(笑)。

阪神ファンとして“阪神の選手”を演じる迷いがあった

――そんな野球ファン、阪神ファンの間宮さんだからこそ、今作への出演が決まった時は嬉しかったのではないでしょうか?

間宮 家族からは「最近(中継の副音声など)野球の仕事しすぎじゃない?」と言われそうですが(笑)、こんな名誉なことはないですね。でも、嬉しかったのと同時に、正直とても悩みました。横田さんご本人やご家族はもちろん、ファンの方々や球団関係者の思いも乗っていると考えた時に、果たしてそれを自分が背負えるのか……重く考えてしまって。

 ただ、マネージャーから「阪神ファンとして、他に横田さんの役をやってほしいと思える人はいるの?」と言われて、ハッとしたんです。自分が野球ファン、阪神ファンということもふまえてオファーをしてくださったとも感じたので、受けさせていただくことにしました。

 横田慎太郎さんは、元阪神タイガースのプロ野球選手。鹿児島実業高校を卒業後、ドラフト2位の期待の新人として阪神にプロ入りするも、22歳の若さで脳腫瘍を発症し、志半ばで2019年に現役引退を決断した。

 今回のドキュメンタリードラマでは間宮が横田氏を演じ、自伝的エッセイ『奇跡のバックホーム』を原作に、その半生を描く。

――ドラマでは縦じまのユニフォームに袖を通したわけですが、気分はいかがでしたか?

間宮 ユニフォームはもちろん、いちファンとして舞い上がったのはドラフトの新入団会見を再現したシーンです。横田さんと同期の選手の名前がテーブルの前にズラッと並んでいて、そこに自分が一丁前に座っている。「横田さんの隣は梅野(隆太郎)選手だったんだ」と感動してしまいました(笑)。

<2013年ドラフト 阪神指名選手>

1位 岩貞 祐太/投手(横浜商科大)

2位 横田 慎太郎/外野手(鹿児島実業高)

3位 陽川 尚将/内野手(東京農業大)

4位 梅野 隆太郎/捕手(福岡大)

5位 山本 翔也/投手(王子)

6位 岩崎 優/投手(国士舘大)

「横田さんは左投左打なのに、僕は右投右打(笑)」

――横田さんは「糸井2世」と評されるほど、高い身体能力を売りにしていた選手でした。実際にプレーするシーンはどうでしたか?

【次ページ】 横田さんへ「モノマネをしようとは思っていません」

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