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プロになるために中学受験も…間宮祥太朗28歳が明かす「自分はプロ野球選手にはなれない」と悟った“中2の記憶” 

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谷川良介

谷川良介Ryosuke Tanikawa

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photograph byMiki Fukano

posted2022/03/12 11:02

プロになるために中学受験も…間宮祥太朗28歳が明かす「自分はプロ野球選手にはなれない」と悟った“中2の記憶”<Number Web> photograph by Miki Fukano

ドラマ『奇跡のバックホーム』で主人公の横田慎太郎を演じる間宮祥太朗さん(28)。かつては「本気でプロを目指した」野球少年だったという

間宮 入れ替わりも激しくて、流行り廃りに左右される仕事なので、代えがきいてしまうのも事実です。だけど、こういう作品の主演をやってみたい、この賞をこの年齢までに獲りたいというような具体的な目標は持っていないですね。同世代の俳優も多いですけど、みんな頭のどこかで自分のオリジナリティをどう見つけていくかということを意識してるんじゃないかな。「隙間産業」というか(笑)。

――「隙間産業」ですか?

間宮 当時僕は20歳前後だったと思うんですが、一時期“塩顔ブーム”みたいな流れがありましたよね。その中で、自分は真逆の顔が濃いタイプで、周囲からも「男っぽい役が合うよね」「男性ファンに好まれそう」と言われることが多かったんです。でも、そこで自分には他の人とは違うオリジナリティがちゃんとあるんだと気づかされた。自分の個性みたいなものをひとつずつ拾って、認識していくことは、大事な作業だなとすごく思っています。

 だから、自分自身で成長を感じながら徐々に皆さんに覚えてもらえるようになれたことは、今となってはよかったかなって。なんとなく「出てたよね」というところから「間宮くんでしょ」と言ってもらえるまでが緩やかだったというか……。まあ、“ブレイク”していないということでもあるんですけど(笑)。

――でも今ではドラマの主演を務める人気俳優です。野球選手に置き換えれば、「一軍に定着して試合に出場し続けている」わけですよね?

間宮 ありがとうございます(笑)。ただ、野球の世界でも、大きな期待を一身に浴びて鳴り物入りでプロに進む選手がいます。そういうプレッシャーの中で結果を出してこそ、初めて身につけられる責任感や勝負強さがあるとも思っていて。それこそ大谷翔平選手を見ていると、重圧が懸かる場所にいる経験ってすごく大きいんだなと感じます。メジャーに行ったことで、プレーや発想も、どんどん手の届かない場所に行きつつある。

 重圧の中で折れてしまうのか、それともそれを撥ねのけて、むしろ追い風にして結果を出すのか。圧倒的な存在になるには、普通ではない状態で戦う経験をしないといけない。今の自分のスタイルでは、まだその経験をできていない。最近はそんなことも考えるようになりました。

「もしあの時に自分が焦ることができていたら…」

――じゃあ今は「もし野球を続けていたら……」と考えることはありませんか?

間宮 今でも、野球に対してのギアを入れて続けていたら、とは考えることもありますよ。あのライバルの彼が野球に対して真摯に向き合っているのを見た時に、自分が焦ることができたらどうなっていたんだろうなって……。

 でも、横田さん(今作の主人公のモデルになった横田慎太郎)とお会いした時に「プロに入ってからカルチャーショックを受けた」という話を聞いて、改めて恐ろしい世界だなと感じました。各地で“逸材”と呼ばれてきた選手が通用しないってどんな場所だよ、って。やっぱり僕にとっては現実味がないですね(笑)。

スタイリスト/津野真吾(impiger)   ヘアメイク/三宅茜 
衣装協力/DELUXE、HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE、BRAND SELECT

◇◇◇

後編では、今作で演じた元阪神の横田慎太郎さんへの想いや役作りについて、またファンを公言するタイガースへの想いを語る。〈#2に続く〉

#2に続く
“阪神が好きすぎる俳優”間宮祥太朗28歳が語る、初始球式のウラ話「どんな球を投げるかより、いかに礼儀正しくするか」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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