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「厳しい世界で生き残るために必要なものって?」中村太地七段が思わず頷いた、26歳吉沢亮の“回答”とは
posted2020/12/25 11:06
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Nanae Suzuki
2回目の今回は、全く違う世界で活躍してきた両者の“ターニングポイント”に迫る。奇しくも転機が重なる二人が語った「厳しい世界で生き残るたった1つの方法」とは――。(全2回の2回目/#1より続く)
◆◆◆
中村 素敵なお話を聞いているところで、軽い質問で申し訳ないんですが……。これまで色々な役を演じられてきて、「生まれ変わったらこれがやりたい」って考えたことはあります?
吉沢 難しい質問ですね。でも、役者はやらないと思います。
中村 そうなんですか?
吉沢 表舞台はもういいかなって(笑)。食べることが好きなので、京都の小料理屋さんで知らないお客さんと一緒に呑んでいたいです。充実した感じがします。
中村 意外すぎますね……(笑)。
吉沢 中村さんはなにか思いつきますか?
中村 僕も正直な話、棋士にはもうならないと思います(笑)。生まれ変わるとしたら、FBI捜査官とか?
吉沢 FBI捜査官?
中村 ドラマとかテレビとか見ていて、悪い人を追い詰めていく感じが羨ましいんですよね。ただ国籍が必要なので、まずはアメリカ人に生まれ変わらなくちゃいけないですけど。
悔しさを味わった2013年「まさに絶望でした」
――お二人の意外なお話をお聞きかせいただきました(笑)。ところで、お二人のターニングポイントを振り返ると、不思議なほど時期が符合することが多かったんです。なかでも2013年、何があったか覚えていらっしゃいますか?
吉沢 なんだろう。
中村 あー、僕は一番辛かった時期ですね。ちょうど2度目のタイトル挑戦が2013年だったと思います。
――正解です。吉沢さんは初主演の舞台が2013年ですよね?
吉沢 初めて『ぶっせん』という作品を主演でやらせてもらいました。あの時が2013年なんですね。
――お二人にとって、そのタイトル戦と初主演舞台が人生において転機だったと伺っています。