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カープのドラ4・19歳小林樹斗が開幕ローテに入るかも!? マエケンに似た“考え方”がすごい「技術があれば精神は安定する」
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byJIJI PHOTO
posted2022/02/28 17:00
チームにおいて最年少の一軍キャンプ参加者となった小林。目標は開幕ローテ入りと力強い
2年目のキャンプでの状態は決して良くなかった。キャンプ終盤のブルペン投球では首脳陣から投球時の癖を指摘される場面もみられた。
「横振りになっちゃっているのは自分の中では良くない。正直、体の動き自体があまり良くないのかなと思う。逆に、プラスに捉えれば、体の状態が悪いときや体の張りが強いときにそういう部分が出ると分かったので、今後そう感じるときはそのポイントを修正していけばいいのかなと思っています」
ただ、昨季デビュー戦で自己最速を更新したように、小林の魅力のひとつは勝負どころで力を発揮できるところにある。2月11日紅白戦は2回、16日DeNAとの練習試合は3回をいずれも無失点に抑えた。25日紅白戦の3イニング目に失点するまで、実戦7イニング連続無失点を続けた。
前田健太に通底する技術への意識
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課題はフォームや制球力、カーブやチェンジアップという遅球の精度と様々にあるものの、荒削りな中に底知れぬ可能性を感じさせる。
「技術があれば、精神面は安定するのかなと思う」
心技体の中で「技術」を一番に考えるのは、高卒2年目にローテーションに定着した前田健太と共通するところ。彼もかつて「圧倒的な技術があれば、メンタルが弱くても勝っていける」と言っていた。10代とは思えぬ思考力とともに、技術がさらに磨かれれば、きっと近い将来、前田のように若くしてローテーションの一角を担うだろう。
周囲が描く成長曲線と本人が描く成長曲線は違う。より大きなカーブを描くためにも、19歳の春から勝負をかける。