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ロッテの“大注目ドラ1”松川虎生が生まれた2003年10月、井口監督は日本シリーズで阪神と…「城島二世」との不思議な縁とは?
posted2022/03/01 06:01
text by
千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
photograph by
Chiba Lotte Marines
千葉ロッテマリーンズのドラフト1位ルーキー松川虎生(こう)捕手の注目度が日に日に増している。
市立和歌山高校から昨年ドラフトでマリーンズ入り。まだ高校の卒業式も終えていなかった若者は、石垣島で行われた初めてのプロのキャンプで堂々と振舞い、首脳陣の目に留まった。ブルペンでは先輩投手陣のボールをしっかりと受けると、的確に声を掛けるなど環境の変化に戸惑うこともなく、まるで何年も前からチームにいるような雰囲気を見せた。
井口資仁監督は「ワクワクさせてくれる選手。リードはテンポがいい。投手への声のかけかた、タイミングもいい。打撃もいい。メンタルも強い。物怖じしない。いい意味でふてぶてしい」と絶賛をする。
「まず雰囲気でピンときた」
一目惚れだった。昨夏、スカウトが撮影した映像で松川をチェック。その無限の可能性に魅了された。
「まず雰囲気でピンときた。どっしり感。まちがいなくドラフト上位の選手だと思った」と井口監督が振り返る。そしてその打撃に目を奪われた。思い出したのはホークス時代の同僚・城島健司捕手だった。
「バッティングの柔らかい感じやパワフルさなど城島のような選手になれると思った。広角に打てるのも魅力。凄く将来性を感じる」
井口監督の思惑通り、1年目のキャンプから存在感を見せる。実戦では追い込まれてから粘りの打撃で逆方向にヒットを打つ場面が際立つ。キャッチングも「マスコミに感想を聞かれて『上手い』と答えたけど、お世辞抜きに本当に上手いと感じる」と投手陣の信頼を得た。
リード面でも先輩投手しかいない中で、まったく物怖じすることはない。しっかりと自己主張を行い、バッテリーを組んだ後は意見交換をする。コミュニケーション能力の高さも魅力だ。