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「おい、中途半端やぞ!」球場に響く“熱男”の声…昨季4位ソフトバンクは本当に変われるのか?《藤本監督&松田が若手に苦言》
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKotaro Tajiri
posted2022/02/14 11:01
松田宣浩内野手や柳田悠岐外野手らが合流したホークスキャンプ。やはり“熱男”こと松田の存在は大きかった
「元気だし一生懸命頑張っているんだけど、ずっと同じことしか言ってないんだよ。『○○さんナイス』とか。松田の場合は良いことも悪いことも的確にポンと言うから雰囲気が締まってくる。若い選手の中からも、そういう選手が出てきてもらえるとね」
井上は確かに一生懸命やっている。ただ、闘志を内に秘めるタイプだし、野球センスも高い分だけ良く言えばソツなくやれるし、悪く言えば淡々とこなしているようにも見えてしまう。
松田「ぬるいでしょ」「みんなのギアを上げたろうと」
まだ19歳で先輩たちへ苦言を呈することに遠慮があるはずだ。そこは理解できる。だが、それならばせめて挟殺プレーでタッチを完成させたときには球場中に響き渡るくらいの大声で「アウトー!」と叫んでほしい。松田は若い頃からそれを実践していた。
松田はこんなことを言っていた。
「筑後にいてテレビ映像で宮崎キャンプを見ていたけど、活気がないように見えた。ぬるいでしょ。自分では(声を)出しているつもりかもしれないけど、もう一つ出してほしいな。そういうことが野球の結果につながるわけじゃないかもしれないけどね。でも、明るく活気があるのがホークスらしいキャンプ。僕は先輩たちからそういうことを聞いて、やってきた。だからみんなのギアを上げたろうと思って宮崎に来ました」
若手が打倒松田と言ってくるけどまだまだ甘い、とも言っていた。
世代交代そのものは、時が過ぎるのを待っていれば必ずいつかは訪れるものだ。しかし、それで常勝チームは作れない。
松田の声を、井上をはじめ若鷹たちはなんらかの形で見聞きするはずだ。
役者の座を奪い取ってみせる気概を、このキャンプ中に若手選手たちは見せることができるだろうか。球場スタンドの上の方からしっかり見て、感じ取ってみたい。
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