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「おい、中途半端やぞ!」球場に響く“熱男”の声…昨季4位ソフトバンクは本当に変われるのか?《藤本監督&松田が若手に苦言》
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKotaro Tajiri
posted2022/02/14 11:01
松田宣浩内野手や柳田悠岐外野手らが合流したホークスキャンプ。やはり“熱男”こと松田の存在は大きかった
「君は右手を強くこねてしまう。だから引っ張った打球が上がらずに、ゴロになるんだ」
その悪癖の修正法だという。バットを強く握り過ぎないようにするため、右手は手のひらではなく指でバットを握るようにも指摘された。そうすることで手首を柔らかく使えるようになるからだ。
井上の猛アピールを期待していたが…
井上はオフの自主トレ期間も王会長の教えを忠実に守りながら、ずっとバットを振り込んできた。その成果はA組スタートを果たしたこの春季キャンプでしっかりと現れ始めている。フリー打撃でも打ち損ないの打球が減ってきた。井上自身はギュッとバットを握らない違和感と戦っていたようだが、右中間へ流し打った打球でもスタンドインさせていた。
ホークスの今季三塁手のレギュラーは「まだ白紙」と藤本監督は強調している。
普通に考えれば松田もしくは、期待の星であるリチャードの一騎打ちの様相なのだが、松田に加えてリチャードもまた1月に新型コロナ陽性判定を受けたためにキャンプは出遅れた。ならば、井上が一発逆転を狙って猛アピールをして、彼らが合流する頃には〈居場所がない……〉と慌てさせるくらいになれば面白いと思って、筆者は見ていたのだ。
だがしかし、現状は先述のとおりだ。
藤本監督「ただ声を出すだけになっている」
その点について、藤本監督に問うてみた。
「若い選手たちも声は出してるけれども、他の選手に対しての声がないよね。『さぁ、いこー』だけ。『何してんだよ』とか、叱咤激励がない。ただ声を出すだけになっている。松田の場合は、良いプレーに対しては『ナイスプレー』と言って、悪いプレーにもしっかり一回一回声を出す。それが松田の良いところなんだよ」
そのうえで、井上について言葉を継ぐ。