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36歳中野友加里が明かす“運命の五輪選考会を迎えるまで”「いつになったらスケートが楽しくなるんだろうって」〈3歳の長女が登場!〉 

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秋山千佳

秋山千佳Chika Akiyama

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photograph byYuki Suenaga

posted2022/02/17 17:01

36歳中野友加里が明かす“運命の五輪選考会を迎えるまで”「いつになったらスケートが楽しくなるんだろうって」〈3歳の長女が登場!〉<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

元フィギュアスケーターの中野友加里さんのインタビュー。3歳になる長女と一緒にポーズ!

中野 そんなことはないです(笑)。私に限らず、きょうだいがいる選手は下の子の方が伸びることが多いんです。お姉ちゃん、お兄ちゃんに負けたくないと必死に追いかけるので。子どもの頃は上達が早いですし、日に日に新しいことができるようになりました。小学生になると友達と遊びたい時もありましたけど、私は大会に出てメダルがもらえる嬉しさがあったから続けてこられたと思います。

 ただ、中学生になると壁にぶつかりました。少女から女性の体つきに変わる時期で、身長が伸びなくなって、横にいく=太るしかない。気づいたらジャンプも跳べなくなっている、という壁です。ダイエットしてもなかなか痩せなくて、一番苦労したのが15~18歳頃でした。

――中学2年生の時にはすでにトリプルアクセルを跳べたそうですが……。

中野 そのトリプルアクセルも跳べなくなりましたし、色んなことが突然できなくなりました。大会で点数が出なくなって、順位も落ちる。今までできたことができなくなると、“できるようにしなくちゃいけない”とより焦っちゃうんですよね。まさに負のスパイラルでした。

「美姫ちゃんや真央ちゃんの体型が羨ましかった」

――小学生までのように楽しいばかりではなくなったと。

中野 はい、「なんでこんなにダイエットしなきゃいけないんだ」と毎日思っていました。結局、ダイエットの習慣は引退するまで続きましたし、今でも残っていますね。なかなか太る勇気がない。太ってしまったら戻さなきゃ、という意識が勝手に働いてしまうんです。

――多くの女性スケーターが直面する難しい問題ですよね。

中野 私は特に筋肉がつきにくく、ちょっと食べるとすぐ太ってしまうという面倒くさい体質でした。だから現役時代は、安藤美姫ちゃんや浅田真央ちゃんの体型がすごく羨ましかったです。生まれ持った柔らかい筋肉としなやかさは天性のもので、訓練だけで身につくものではなかったので……。だからこそ私は、人の倍は練習しなきゃと心がけていました。

佐藤信夫コーチに師事して「言葉がけは“マジック”」

――高校の時に伸び悩んだことをきっかけに、環境もガラリと変えられました。

中野 母の勧めもあって大学進学を決めて、佐藤信夫コーチに師事するようになりました。やっぱりこのタイミングは、私の競技人生にとってターニングポイントだったと思いますね。

【次ページ】 「努力するのも才能じゃないですか」

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