令和の野球探訪BACK NUMBER
文武両道の國學院久我山、31歳監督が選手に伝える「気づいたらやりなさい」イチローさんもセンバツも引き寄せた“自主性”とは?
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2022/02/04 17:03
イチローさんからもらったバットを手にセンバツ出場を報告する國學院久我山の選手たち
試合前や9回裏の攻撃前、國學院久我山のベンチには不思議と笑顔がある。
緊迫した場面でも、選手たちに緊張や焦りの色は見えなかった。チャンスの場面で打席に立つ主将・上田太陽に「背負うなよ!」と尾崎監督が声をかけるように、常にポジティブな空気が流れているのだ。最後は「自分の力を信じてフルスイングしてこい!」と言われた成田陸がライトオーバーの逆転サヨナラ打を放って歓喜をもたらしたことがそれを物語っている。
選手たちが自ら考え成長したことで東京制覇を果たし、イチローさんの指導というかけがえのない経験も積んだ國學院久我山。2022年春に控えるセンバツ甲子園は、その成果を存分に示すこれ以上ない晴れ舞台だ。
あらゆるものを吸収し続けていく彼らの進化はまだまだ止まりそうにない。