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「ウチダのような存在が足りない」今もシャルケで愛される内田篤人… “選手と指導者目線”で当時の仲間と監督を語ってくれた
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/02/05 11:02
シャルケ時代、ヘヴェデスと笑い合う内田篤人
「うん。全ての問題をサイドで解決したいなと思ったり、オレがサイドバックで試合に出ていたらこうやって解決するなと考えたり。もちろん、監督は色々なポジションを使ってピッチ上の問題を解決しようとするけど、サイドバックで解決しようとする取り組みは、意外と、見落とされている部分もあるかもしれないし」
――サイドバックに特化した指導もしてみたいですか?(※日本サッカー協会ではポジションに特化したキャンプを実施している)
「ゴールキーパープロジェクトやストライカーキャンプもやっているし、その“サイドバック版”をやれたら面白いなという話はしていたりするかな。ただ、サイドバックって、まず身体能力がないといけないから。足が速くないとなかなか厳しいし。あとは、ボールをもらう位置のトレーニングやターンのトレーニング、パスを受ける直前で判断を変えるトレーニングなどを考えられたら面白いなと思ったり……」
――ここからはシャルケ時代の思い出について振り返ってください。内田さんのチャンピオンズリーグ(CL)出場試合数はシャルケの歴史上で今も、ヘヴェデスについで2位です。
「けっこう、頑張ったじゃん、オレ(笑)。ただ、それは少し寂しいかな。早く、抜かしてもらいたい」
――当時のチームメイトは粒揃いでした。近年のCLのファイナリストにも、ノイアー、ゴレツカ、ドラクスラー、ケーラー、マティプなどが名を連ねています。
「あとは、ラウールやフンテラールとも一緒にやれたし」
――他にはヘヴェデスやファルファン、サネなども。
「タイミングが良かったんじゃないかな。シャルケは歴史のあるチームだけど、CLのベスト4に初めて行けたのは、それだけのメンバーが揃っているタイミングだったからだろうし。勝てなくて監督が交代になることが何度もあったけど、それも含めて、濃かったなぁ」
もっとも印象深い練習をしていた監督は……
――およそ8年1カ月の在籍期間に、計8人(*アイヒコーン暫定監督を含めると9人)が監督を務めました。
「マガトや(後にウニオン・ベルリンで指導を受ける)イェンス・ケラー、ディ・マテオもいたし。色々な監督とやれた経験は、財産になっているね。この前、U-18日本代表の合宿で『パス&コントロール』のトレーニングメニューを考えさせてもらえたんだけど、そのときにも、面白い練習をやらせてくれた指導者のメニューばかり思い浮かんだから」
――どの監督の練習がもっとも印象深いですか?
「イェンス・ケラーが監督をやっていたときに、バイエルンからアシスタントが来たんだけど……」