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「ウチダのような存在が足りない」今もシャルケで愛される内田篤人… “選手と指導者目線”で当時の仲間と監督を語ってくれた 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/02/05 11:02

「ウチダのような存在が足りない」今もシャルケで愛される内田篤人… “選手と指導者目線”で当時の仲間と監督を語ってくれた<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

シャルケ時代、ヘヴェデスと笑い合う内田篤人

――ドイツでアシスタントコーチのエキスパートとして評価されている、現U-20ドイツ代表アシスタントコーチのヘアマン(*1)ですね?

「そう! 彼のトレーニングは面白くて、夢中になるものだったから。例えば『パス&コントロール』の練習もそう。パスを出すときのボールの回転や質、スピードなど、一つひとつの要求がすごく高くて。上手くいかなければ、厳しく注意される。逆に、質の高いプレーができたときには、ほめてくれる。彼が来てから、シャルケのパススピードはすごく上がったから」

(*1 現役時代にプレーしたレバークーゼンで、長きにわたってアシスタントコーチを務めた人物。ただ、レバークーゼンで指揮を執っていたハインケス監督が2011-12シーズンにバイエルンへと移るタイミングに合わせて、アシスタントコーチとしてバイエルンへ移籍。2012-13シーズンのCL優勝を含めた3冠達成に尽力した。昨年の7月1日からU-20ドイツ代表のアシスタントコーチを任されている)

「パス&コントロール」の指導中、不機嫌そう?

――それほどの効果が?

「あの練習は楽しかったもん。速くて、質の良いパスを求められるから、『パス&コントロールの練習』がいつの間にか、シュート練習みたいになっていた(笑)」

――その経験は若い選手を指導する際に役に立っていますか?

「もちろん! これは、あるコーチに言われたんだけど、『パス&コントロール』の練習をやらせているときはいつも、オレが不機嫌になっているように映るらしくて」

――なぜでしょう?

「『自分が求めているパススピードや質に届いていない』と感じてしまうことが多いからだと思う。オレはウニオン(・ベルリン)に少しいたけど、基本的にシャルケと鹿島(アントラーズ)の練習しか知らないでしょう? だから、その基準を高校生年代の子たちに求めて良いのかなと思うこともある。でも、個人的には、求めるレベルを下げたくないから……『あぁ、難しいなぁ』と」

――指導者としての葛藤ですね。

「数年後、彼らが海外に行った時などに、『内田さんが言っていたのは、こういう舞台でのパススピードのことなのか』とわかってくれたらいいな。今は『うるせぇな』と思われるかもしれないけど(笑)。オレが練習の一部を見させてもらえるならば、パススピードや質は、他の人が見ても『あぁ、ここの練習はすごいな』と思われるようなレベルにしたいです」

――「燃え尽き症候群」を発症したために約半年で退団したラングニック監督とも一緒にやっていますよね。当時の彼は選手たちと折り合いがあまり良くなくて、それも心労につながったのかなと私のような記者の目には映っていましたが。

【次ページ】 「選手たちをまとめるのは大変だろうね」

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