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《引退》西川周作からの確信的ごっつぁんゴール…控えめな赤嶺真吾が最後に話した“点取り屋の自負” 故郷で終えた幸せなサッカー人生 

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杉園昌之

杉園昌之Masayuki Sugizono

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photograph byJ.LEAGUE

posted2022/01/14 17:02

《引退》西川周作からの確信的ごっつぁんゴール…控えめな赤嶺真吾が最後に話した“点取り屋の自負” 故郷で終えた幸せなサッカー人生<Number Web> photograph by J.LEAGUE

昨季限りで現役引退を決めた赤嶺真吾(38歳)。渡り歩いたクラブそれぞれで、ファンの記憶に残るをゴールを量産した

 仙台では濃密な4シーズン半を過ごした。2011年は東日本大震災に見舞われながら、「希望の星になる」を合言葉に快進撃を続けた。前年度の残留争いがまるで嘘のように上位に食い込み、4位でフィニッシュ。スポーツが社会に与える影響を実感した。

「人として、サッカー選手として成長できました」

 ユアスタでガンバ大阪、浦和などビッグクラブを打ち負かしたときの熱狂は、いまも脳裏に焼き付いている。地鳴りがするような歓声、ベガルタゴールドに染まったスタンド、自らのゴールとともに当時の記憶が次から次に甦ってくる。

日本代表への憧れ「一度は経験してみたかった」

 充実したプロ生活を送ってきたが、心残りがあるとすれば、日本代表に縁がなかったこと。FC東京在籍時、2008年に代表候補合宿に招集されたが、活動はトレーニングのみ。悔やまれるのは仙台時代。2012年2月はシーズン前のタイ遠征で目を負傷し、同年4月には肉離れ。いずれもキリンチャレンジカップのメンバー招集レターを受け取っていたのだ。

「代表への思いはあまり話してこなかったですが、同郷の我那覇(和樹)さんが活躍する姿を見ていましたし、僕も一度は経験してみたかったです。そこだけはちょっと心残りかな」

 引退発表から1カ月、年始からお世話になったクラブ、大学に直接、足を運び挨拶回りをしているところ。セカンドキャリアはB級ライセンス取得済みで指導者の道を含めて、熟考中だという。各地でファン・サポーターの前に姿を見せることはないかもしれないが、感謝の言葉を口にしていた。

「応援してくれた人たちに、この試合、赤嶺が決めていたなと思い返してもらえれば、うれしいです。記録を残した歴代の代表FWはたくさんいますが、僕は記憶には残るストライカーだったと思います」

 謙遜ばかりしてきた男はきりっとした顔で点取り屋の自負を口にしたが、すぐに照れくさそうな笑みを浮かべていた。やはり、人を引き込む温和な表情がよく似合う。第2の人生でも、このとっておきの武器は生きるはずだ。

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