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「俺はあいつらが優勝する様子を眺めているだけで終わるのか?」 元アーセナルDFソル・キャンベルが語る“禁断の移籍”と無敗優勝 

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アルトゥル・レナール

アルトゥル・レナールArthur Renard

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posted2022/01/12 17:00

「俺はあいつらが優勝する様子を眺めているだけで終わるのか?」 元アーセナルDFソル・キャンベルが語る“禁断の移籍”と無敗優勝<Number Web> photograph by Getty Images

黄金時代のアーセナルの最終ラインを支えたソル・キャンベル。47歳となったかつての名DFが栄光に満ちた現役時代を振り返る

――トッテナムでは、どのようにユースからトップチーム昇格を果たしたのですか?

「U-18EUROで優勝した直後に、当時の監督だったオジー・アルディレスから、『ソル、すぐに戻って来てくれ』と言われたんだ。たしか、大会後に1週間休んでプレシーズンに合流したと思う。実際にチャンスが回ってきた理由は、左SBに怪我人が出たからなんだ。ただ、アルディレスにしても、コーチとして世話になったスティーブ・ペリマンにしても、ものすごく選手を信頼してくれる指導者だった。彼らと同じ姿勢を、監督となった自分も大切にしているよ。選手を信じること。すべては、そこから始まると思う。トッテナムで次に監督になったジェリー・フランシスも俺を信頼してくれた。『キャプテンを任せたい。明日までに返事をくれ』と言われてね。まだ21歳の若造だったくせに、迷わずキャプテンマークを頂戴したよ(苦笑)」

優勝する様子を眺めているだけで終わるのか……

――当時のトッテナムには、ベテラン選手の1人に90年ワールドカップで世界一になったドイツ代表のユルゲン・クリンスマンもいましたね。

「一緒にプレーすることができて良かったよ。勝者のメンタリティの持ち主だ。試合に負けるとロッカールームで物に当たることもあった。サンダルを壁に投げつけたり(笑)。もう1つ覚えているのは、練習中に俺がキーパーにフィードを要求すると、『ブラボー! イエス、イエス!』と前線から叫んでいたことだ。足下で繋いで攻めたがっていたよ。当時のリスタートはドカーンと大きく蹴り出すパターンが定番だったけど、俺が後ろから組み立てようと思ってボールを受けると、大声で賛成してくれた。あれは嬉しかったな。何年かプレーしたイタリアで、『ブラボー、ブラボー!』が口癖になったらしい(笑)」

――愛着のあるトッテナムを離れることを決断した理由は?

「1999年のユナイテッド戦だ。アウェイでのシーズン最終節で、向こうは勝てば優勝という一戦だった。俺たちはレス・ファーディナンドのゴールで先制していながら、最終的に1-2で負けた。試合終了の笛が鳴った瞬間、スタジアムは、それこそ歓喜の渦。飛び上がったり、抱き合ったりしながら喜びまくっている相手の選手たちを見ながら、『このままでいいのか?』と思ったよ。心の中で『俺はずっとあいつらが優勝する様子を眺めているだけで終わるのか? 代表では同じチームメイトなのに』と呟いた。最大限やっているのに状況が変わらないまま、時間だけが流れ続けていくような気がした……。あれは純粋な、サッカー選手としての決断だった」

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