酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
自慢の育成が今一つだった西武とホークス、新庄日本ハムは「解体モード」だが意外と…《成績で見る勝因敗因/パBクラス》
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph bySports Graphic Number
posted2021/12/30 11:07
西武・山川穂高、日本ハム新庄新監督、ソフトバンク千賀滉大。選手、監督という立場の違いはあれど2022年各球団のキーパーソンなのは間違いない
MLBではチームが低迷すると主力選手を放出し、若手を思い切って抜擢するなど「解体モード」に入るが、2023年の新球場への移転を見据えて、日本ハムもそのモードになったのではないかと思われる。
大田泰示、西川遥輝、秋吉亮と実績あるFA権を持つ選手をノンテンダーで自由契約にしたのも、未知数の新庄剛志を新監督に迎えたのも、一度「ガラガラポン」をしたいという球団の意向を感じさせる。
打線に関しては長く「有望」の評価だった淺間大基がようやく規定打席に到達、3年目の野村佑希も大物の片鱗を見せてはいる。さらにルーキーの五十幡亮汰もスピードスターに育つ可能性があるが、まだまだ線が細い印象だ。
ただ、投手陣は今年、新人の伊藤大海が粗さがありつつも元気なマウンドを見せ、東京オリンピックにも出場。救援では堀瑞輝が最多ホールド、先発から転向した2019年のドラフト1位・河野竜生が好投を見せるなど、来季に向けて期待が持てそうな陣容となりつつある。
ピッチャーズパークである札幌ドームを本拠とするだけに――「守り勝つ野球」で善戦をする可能性はあるだろう。
ソフトバンク:エアポケットに入った?Bクラス
<4位 福岡ソフトバンクホークス>
60勝62敗21分 勝率.492 首位と8.5差
チーム打率.247(2位)チーム防御率3.25(1位)
・打線
1(二)三森大貴 82安0本20点16盗 率.249 RC28.07
2(遊)今宮健太 78安4本30点4盗 率.214 RC27.97
3(右)柳田悠岐 155安28本80点6盗 率.300 RC107.88
4(左)栗原陵矢 146安21本77点7盗 率.275 RC84.81
5(DH)デスパイネ 69安10本41点0盗 率.264 RC41.00
6(一)中村晃 113安8本56点1盗 率.245 RC60.59
7(捕)甲斐拓也 92安12本44点6盗 率.227 RC43.85
8(三)松田宣浩 83安14本47点5盗 率.234 RC41.26
9(中)牧原大成 76安4本21点14盗 率.278 RC31.65
・先発投手
石川柊太 28試6勝9敗156.1回 率3.40 PR1.39
マルティネス 21試9勝4敗140.2回 率1.60 PR29.38
和田毅 18試5勝6敗94.1回 率4.48 PR-10.48
東浜巨 14試4勝4敗75.1回 率3.70 PR-1.84
千賀滉大 13試10勝3敗84.2回 率2.66 PR7.71
・救援
嘉弥真新也 58試1勝0敗0S19H28.2回 率4.71 PR-3.92
岩嵜翔 48試2勝5敗6S14H45.1回 率4.17 PR-3.48
津森宥紀 45試1勝0敗0S11H33回 率2.18 PR4.77
板東湧梧 44試0勝2敗1S16H39.1回 率2.52 PR4.2
モイネロ 33試1勝0敗5S14H31.1回 率1.15 PR8.11
森唯斗30試1勝3敗15S0H29回 率4.03 PR-1.77
前年、日本シリーズで巨人を4勝0敗で退け、圧倒的な強さを見せたソフトバンクが今季はCS出場さえ逃したのは、大きな驚きだった。