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勝ち運に見放された田中将大、覚醒間近の佐々木朗希、完璧だった山本由伸の来季はどうなるか《成績で見る勝因敗因/パAクラス》

posted2021/12/30 11:08

 
勝ち運に見放された田中将大、覚醒間近の佐々木朗希、完璧だった山本由伸の来季はどうなるか《成績で見る勝因敗因/パAクラス》<Number Web> photograph by JIJI PRESS/Sports Graphic Number/Kyodo News

則本昂大、山本由伸、佐々木朗希。パ・リーグでAクラスに入った3球団の投手に2022年も注目したい

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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ヤクルトの日本一で幕を閉じた2021年のプロ野球。記録という観点から各球団の勝因と敗因、そして来季展望を占った(全4回)

 2021年のパ・リーグはオリックスが前シーズンの最下位から劇的な優勝を飾り、ロッテも接戦を演じた。パ・リーグAクラスの3球団についてもデータに基づいて振り返っていこう。

 なお打者のRCは打撃の総合指標、90を超えれば強打者、100を超えればMVP級とされる。また投手のPRはリーグ平均防御率に基づく指標。今季パ・リーグの平均防御率3.48を上回る防御率だとプラスになり、イニング数が多くなればその数値が高くなる。

楽天:大先発投手陣は十分に機能しなかったが……

<3位 東北楽天ゴールデンイーグルス>
 66勝62敗15分 勝率.516 首位と5.5差
 チーム打率.243(3位)チーム防御率3.40(4位)

・打線 
 1(遊)小深田大翔 97安3本21点5盗 率.248 RC43.90
 2(一)鈴木大地 153安10本53点3盗 率.277 RC73.12
 3(二)浅村栄斗 130安18本67点1盗 率.269 RC82.08
 4(左)島内宏明 125安21本96点2盗 率.257 RC91.38
 5(右)岡島豪郎 129安8本56点3盗 率.280 RC60.93
 6(三)茂木栄五郎 106安14本53点6盗 率.259 RC60.7
 7(内)渡邊佳明 27安1本7点0盗 率.273 RC11.09
 8(捕)太田光 45安4本23点1盗 率.188 RC15.85
 9(中)辰己涼介 84安10本32点6盗 率.225 RC43.50

・先発投手 
 岸孝之 25試9勝10敗149回 率3.44 PR0.66
 田中将大 23試4勝9敗155.2回 率3.01 PR8.13
 早川隆久 24試9勝7敗137.2回 率3.86 PR-5.81
 則本昂大 23試11勝5敗144.2回 率3.17 PR4.98
 瀧中瞭太 20試10勝5敗103.2回 率3.21 PR3.11
 涌井秀章 21試6勝8敗96.1回 率5.04 PR-16.70

・救援投手
 宋家豪 63試3勝3敗7S24H60.2回 率2.23 PR8.43
 安樂智大 58試3勝3敗2S22H56.1回 率2.08 PR8.76
 酒居知史 54試4勝3敗3S28H51.1回 率2.28 PR6.84
 松井裕樹 43試0勝2敗24S0H43回 率0.63 PR13.62
 森原康平 34試0勝0敗0S3H32.1回 率2.78 PR2.51

 今年の楽天は、涌井秀章(2020年終了時点で144勝)、岸孝之(同132勝)、MLBから復帰した田中将大(同99勝)、則本昂大(同85勝)に加え、2020年ドラフトの目玉の1人だった早大出身の左腕・早川隆久という12球団で最も豪華な先発投手陣が売りだった。

 この投手陣が順当に機能すれば優勝も夢ではないという感じだったが、物事はそううまくはいかない。涌井が6月19日を皮切りに3回も登録抹消、田中はベテランらしい円熟の投球を見せたものの打線の援護がなく4勝に終わった。則本11勝、岸と早川の9勝は良いにしても、2年目・瀧中瞭太の中盤以降の活躍がなければポストシーズン進出も覚束ない状況だった。

 むしろ今季の楽天投手陣は、救援投手陣の活躍が目立った。

【次ページ】 ロッテ:佐々木朗希ら若手の成長もあった試合巧者

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