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自慢の育成が今一つだった西武とホークス、新庄日本ハムは「解体モード」だが意外と…《成績で見る勝因敗因/パBクラス》
posted2021/12/30 11:07
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広尾晃Kou Hiroo
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2021年のNPBは2012年以来9シーズンぶりにセントラル・リーグのチームが日本シリーズを制した。コロナ禍でいろいろな出来事が起こったシーズンだった。両リーグ、各球団を主力選手のデータなどから振り返っていこう。まずは日本シリーズで敗れたパ・リーグのBクラス3球団から。
なお打者のRCは打撃の総合指標、90を超えれば強打者、100を超えればMVP級とされる。また投手のPRはリーグ平均防御率に基づく指標。今季パ・リーグの平均防御率3.48を上回る防御率だとプラスになり、イニング数が多くなれば数値が高くなる。
西武:「育成」が伸び悩んで1979年以来の最下位に
<6位 埼玉西武ライオンズ>
55勝70敗18分 勝率.440 首位と15.0差
チーム打率.239(4位)チーム防御率3.94(6位)
・打線
1(遊)源田壮亮 126安2本29点24盗 率.272 RC54.23
2(左)岸潤一郎 67安9本30点2盗 率.220 RC25.2
3(捕)森友哉 133安11本41点5盗 率.309 RC89.63
4(三)中村剛也 122安18本74点0盗 率.284 RC62.74
5(DH)栗山巧 97安4本43点1盗 率.251 RC43.59
6(二)呉念庭 101安10本48点3盗 率.238 RC48.53
7(一)山川穂高 83安24本66点0盗 率.232 RC55.03
8(右)愛斗 64安8本39点1盗 率.219 RC27.89
9(中)金子侑司 38安0本9点9盗 率.192 RC6.94
・先発投手
高橋光成 27試11勝9敗173.2回 率3.78 PR-5.79
今井達也 25試8勝8敗158.1回 率3.30 PR3.17
松本航 28試10勝8敗149.2回 率3.79 PR-5.16
平井克典 25試4勝4敗74.2回 率4.22 PR-6.14
ニール 11試1勝6敗60回 率5.85 PR-15.80
・救援投手
平良海馬 62試3勝4敗20S21H60回 率0.90 PR17.20
ギャレット 61試4勝3敗2S17H57.1回 率3.77 PR-1.85
武隈祥太 46試0勝2敗0S9H30.2回 率1.76 PR5.86
森脇亮介 45試3勝1敗1S13H40.1回 率4.02 PR-2.42
十亀剣 40試1勝1敗0S8H40回 率3.38 PR0.44
西武ライオンズは「去る者は追わず」の姿勢を堅持してきた。年俸が上がり、FA年限に達するなどした主力選手は移籍するのが常だったからだ。最近でも野手では中島裕之(現宏之)、炭谷銀仁朗、浅村栄斗、投手では涌井秀章、岸孝之、菊池雄星らといった主力選手が球団を離れた。
それだけに「育成」が最大のポイントだった。
2019年までは山川穂高、森友哉、源田壮亮、外崎修汰などの若い戦力が順調に伸びた。投手陣は菊池雄星の移籍後はエースと呼ぶべき投手は出なかったが、打線の圧倒的な破壊力で2018、19年とリーグ優勝を遂げた。
しかし、ここ2年は山川が不調、外崎も故障がちで打線の迫力が半減した。今季38歳の中村剛也、栗山巧の両ベテランが規定打席に達したことが西武打線の伸び悩みを象徴している。