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“モメた東京五輪開会式”で流れたドラクエ神曲と聖火リレー、メダルラッシュ、悲劇、号泣… 名シーンと“金言”を振り返る

posted2021/12/31 06:03

 
“モメた東京五輪開会式”で流れたドラクエ神曲と聖火リレー、メダルラッシュ、悲劇、号泣… 名シーンと“金言”を振り返る<Number Web> photograph by JMPA

東京五輪が開催された国立競技場

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NumberWeb編集部

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雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は東京オリンピックにまつわる言葉と名シーンの数々です。

<名言1>
やっぱりオリンピックは特別なの。
(長嶋茂雄/NumberWeb 2021年7月24日配信)

 東京五輪の開会式をめぐっては、楽曲の作曲を担当していた小山田圭吾氏が辞任、演出を担当するショーディレクターだった小林賢太郎氏が解任になるなど直前のタイミングで大きな騒動に。無観客で開催されるイレギュラーな事態の中で、五輪は開幕の時を迎えた。

 開会式では「君が代」を歌手のMISIAが熱唱。ピクトグラムによる競技説明、森山未來や市川海老蔵らが登場したが……最も話題を呼んだのは、各国の入場行進曲でゲーム楽曲が数多く使用されたことだろう。特に今年逝去した、すぎやまこういちさんの『ドラゴンクエスト』シリーズのテーマは、日本だけでなく世界でも大きな話題となった。

 そして聖火リレーでは野村忠宏さんと吉田沙保里さん、そこから王貞治ソフトバンク球団会長と長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督に、長嶋さんの愛弟子である元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さんがつなぎ、大坂なおみが最終ランナーとなった。

 冒頭の言葉は長嶋さんが2018年に語っていた五輪への意欲だ。「何らかの形で関わることができたら、自分にとっても最高の人生になるね」とも語っていたミスターも、コロナ禍は予測できなかっただろうが――激しいリハビリに取り組み、大役を務めた。

圧倒的な強さを見せた柔道家の言葉

<名言2>
燃える気持ちしかなかった。妹に良いパワーをもらった。
(阿部一二三/Number1032号 2021年7月29日発売)
<名言3>
いつも私の前を走ってくれて、ずっと引っ張ってくれている存在です。
(阿部詩/Number1032号 2021年7月29日発売)
<名言4>
柔道家として道は続いていきますし、人生は一生修行だと思っています。
(大野将平/Number1033・1034号 2021年8月12日発売)
<名言5>
僕の持ち味は、しぶとい柔道です。
(ウルフアロン/Number1033・1034号 2021年8月12日発売)

◇解説◇
 2021年夏の東京五輪で、最も視聴者を興奮させた競技を挙げるなら――柔道だろう。

 男子が5つ、女子が4つで計9つの金メダル。銀メダル2つ、銅メダル1の計12個は、同競技2位のフランスのメダル数8(金2、銀3、銅3)と比べても図抜けている。

 ストーリー性も抜群だった。阿部詩・一二三の2人が史上初となる兄妹同日の金メダルを獲得すれば、井上康生監督をして「私が見てきた中でも最強の柔道家」と言わしめた大野が圧倒的な実力でライバルをねじ伏せていった。

 そして驚異的なスタミナで延長戦に入って「ウルフタイム」との言葉を定着させたウルフアロン、“アリ地獄”とも評された寝技の女王・濱田尚里らもストロングポイントを出しきった。

 そんな多士済々のメンバーを率いる男子・井上監督や女子・増地克之監督の指導力や求心力にも注目が集まったのも当然のことだった。

【次ページ】 体操・橋本の新王者誕生、キング内村は……

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