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《世界最高GK》「頼りになるのは本能だ」EUROで神セーブ連発のドンナルンマがプロ入り後のPK戦でいまだ不敗の理由 

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posted2021/12/22 06:00

《世界最高GK》「頼りになるのは本能だ」EUROで神セーブ連発のドンナルンマがプロ入り後のPK戦でいまだ不敗の理由<Number Web> photograph by L’Équipe

ヤシン・トロフィー受賞を、フィアンセのアレッシアと自宅で喜ぶドンナルンマ

ヤシン・トロフィーを獲得した瞬間

 信じられない思いだった。子供時代から今日までの努力と献身が心をよぎった。でも最高のときを迎えるのはまだこれからで、そのためにも僕は先に進まねばならない。勤勉で謙虚な姿勢を保ち続けながら。もっといろいろな賞を受賞したい。

 ヤシン・トロフィーの価値がとても高いと思うのは、もちろんまだまだ努力は必要だけれども、獲得したことで僕が憧れの存在に少しだけ近づいたからだ。僕の絶対的なヒーローはジジ(ジャンルイジ)・ブッフォンで、子供のころから憧れでありモデルだった。代表では幸運にも彼のチームメイトになることができた。本当に嬉しかったし、彼の一挙手一投足を間近で見ることが僕にとってはいい勉強だった。彼の動き方やポジションの取り方、ボールへの対応の仕方……。どれもが僕には有益で、すべてを注意深く観察することで僕は進歩した。

 EURO決勝の後で彼から喜びのボイスメッセージが送られてきた。僕らの勝利を心から祝ってくれて心が震えたよ。

EUROの勝利をイタリアにもたらした瞬間

 信じられなかった。子供のころからの夢が現実になったのだから。これだけ大きな価値のあるトロフィーを獲得できたことは生涯忘れない。サッカーにおいて歴史的な価値のあるトロフィーだからね。

 EUROは誰にとっても特別な大会だ。直前合宿が始まったときから充実した日々が続き、素晴らしい戦いを経た末の感動的かつマジカルな結末だった。決勝で僕がブカヨ・サカのPKを止めたとき、僕はしばらく動かずにそのままでいた(1対1のまま延長で決着がつかず、PK戦に突入した試合は、イングランド3人目のマーカス・ラッシュフォードがポストに当てて外し、4人目のジェイドン・サンチョと5人目のサカをドンナルンマが止めてイタリアが3対2と勝利し、地元開催の1968年以来2度目となるEURO優勝を果たした)。

 結果を数え間違えていたわけじゃない。キッカーが蹴るまで、GKはどちらかの足をゴールライン上に置いていなければいけないというルールが頭にあったから、レフェリーをずっと見ていた。やり直しになる危険性があったからだ。《喜ぶのはちょっと待て……》と思った。でも主審は身じろぎもせず、チームメイトが僕に駆け寄って来るのを見たとき、僕も解き放たれて喜びが爆発した。

【次ページ】 PK戦で逆転した瞬間

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