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「最も美しいゴールは東京で決めた“あのボレー”」「今一緒にプレーしたいのは…」名手プラティニに直撃インタビュー 

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フローラン・ダバディ

フローラン・ダバディFlorent Dabadie

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posted2021/12/09 17:00

「最も美しいゴールは東京で決めた“あのボレー”」「今一緒にプレーしたいのは…」名手プラティニに直撃インタビュー<Number Web> photograph by Florent Dabadie

ダバディ氏の取材に応えてくれたプラティニ氏

実は17歳の時のマラドーナと会っているんだ

――セリエAやW杯でディエゴ・マラドーナと同じ舞台で戦いました。彼のプレーや人間性をどう見ていたのでしょうか?

「私がキャリアの頂点にいた80年代前半には彼はまだ若かった。優勝した86年W杯も私からすれば予想外の活躍だった。ナポリにやってきたのは84年だったが、W杯から一気に彼も世界的スターになり、リーグ戦のプラティニ対マラドーナはイタリア中のメディアが煽るようになっていった。彼のナポリは私のユーベになかなか勝てず、私に対する苦手意識があったかもしれない(笑)。それは冗談だが、私たちはお互いを尊敬し合い、とても友好的だった。

 実は、マラドーナとはアルゼンチンで行われた親善試合で初めて会っているんだ。まだ17歳だったが、すでに鬼才で宝石だった。技術だけを見れば、誰よりも恵まれていた。史上最強の才能だったかもしれない。現役時代からドラッグなどに手を出してしまい、選手キャリアは短く、人生そのものも短くなってしまったのは残念でならないよ」

――いまのサッカー界を見ると、長年バロンドールを分けてきたメッシもロナウドも長いキャリアを過ごしていますね。

「いまプレーできたら、きっと楽しいだろうね。昔はラフプレーになかなかカードが出されず、私たちファンタジスタは試合中に削られまくって、本当に辛かったから。ファンバステンのように早すぎる引退を強いられるケースもあった。だから、私はFIFAのアドバイザーを務めている際、現代サッカーに革命的な変化をもたらしたつもりだ。一つはGKへのバックパス禁止。もう一つが後方からのタックルへの一発レッドだよ。これで状況は大きく変わった。メッシがいまだに現役でプレーしていられるのは、2つ目のルール変更のおかげだ」

もしムバッペがいたら82、86年W杯も……

――もし時代を越えることができるとしたら、誰とプレーしたいですか?

「一緒にプレーしてみたいのはムバッペだね。メッシやクリスティアーノ・ロナウドよりもムバッペだ。彼の飛び出しのタイミング、あのスピード。もし、ムバッペがチームにいたら、きっと多くのラストパスを彼に送って、82年と86年のW杯も取ることができたんじゃないかな」

――ムバッペはフランス・サッカーの救世主?

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ミシェル・プラティニ
ディエゴ・マラドーナ

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