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「強いチームだ」ジーコにホメられた《J1連覇》フロンターレ鬼木達監督が語る“移籍やケガ人続出”でも「チームが崩れなかった」ワケ

posted2021/11/26 11:03

 
「強いチームだ」ジーコにホメられた《J1連覇》フロンターレ鬼木達監督が語る“移籍やケガ人続出”でも「チームが崩れなかった」ワケ<Number Web> photograph by Getty Images

ピッチサイドから指示を出す鬼木監督。監督として4度目の優勝はJ1歴代最多となる

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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川崎フロンターレ・鬼木達監督のインタビューの後編です。(前編から読む)

 サッカーの世界において逆転勝ちは容易ではない。

 ホームランもトライもスリーポイントシュートもないのだから、試合をひっくり返すにはエネルギーがいる。

 勝負と位置づけた9月18日からの5連戦。鬼木達監督率いる川崎フロンターレは“初戦”の徳島ヴォルティス戦に勝利し、ここからJ1では9年ぶりとなる「3試合連続逆転勝ち」をやってのけることになる――。

 ヴォルティスとのアウェーマッチから4日後、2位横浜F・マリノスにも完勝している“常勝軍団”鹿島アントラーズが次の相手だった。

 アントラーズペースで進んだ。出足の鋭い守備に苦しめられ、自分たちのペースに引き込めないでいた。後半16分に先制を許すと、鬼木は脇坂泰斗、小林悠、宮城天と一気に3枚替えを敢行し、配置を変えるなどして流れを手繰り寄せるべく動いていく。

2年目の宮城天がJ初ゴールを叩き込む

 後半37分、FKのチャンスを得ると鬼木はキッカーの脇坂に待ったを掛けて、空中戦に強い山村和也を投入する。

 狙いはズバリと当たる。山村がドンピシャで合わせたヘディングシュートで同点にすると、フロンターレは勝負どころと踏んで一気に攻勢を掛けていく。一体その力がどこに残っていたのかと思うほどに。

 シュート、シュート、シュート。

 アディショナルタイムに入っていた最後の最後、ここまで鳴りを潜めていた2年目の宮城天がJ初ゴールとなる無回転ミドルを叩き込むのだからサッカーとは分からない。

 鬼木はこう振り返る。

【次ページ】 タフなアントラーズの消耗を呼び込んだ

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