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ヤクルト石川雅規41歳が見せた“大胆さ”が必要!? シリーズ初戦からオリックス投手陣に続く《呪縛》とは
posted2021/11/25 12:10
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
1点差、2点差、1点差、そしてまた1点差である。開幕から僅差の勝負が続く接戦の日本シリーズ。明暗を分けているのは、やはり野球というの勝負の鉄則、四球だった。
「あそこは勝負して欲しかった」
オリックス・中嶋聡監督が試合後にこう振り返ったのは23日のシリーズ第3戦だった。
5回に許した先制点。2死二塁からマウンドに送ったセサル・バルガス投手が村上宗隆内野手とドミンゴ・サンタナ外野手に連続四球を与えて、6番・中村悠平捕手の中前先制タイムリーへとつなげられてしまった場面だ。
そして第4戦も、また決勝点は四球からだった。
本塁打の5点を除く7点は全て四球がらみで失った
1点を追う6回にオリックスは2死から福田周平外野手が中前安打で出塁。2番・宗佑磨内野手の右前安打を右翼手のサンタナの捕球が緩慢で、しかもファンブルするのを見て、福田が一気に本塁を陥れて同点に追いついた。
流れが一気にオリックスへと傾けきかけた直後、その裏のヤクルトの攻撃だ。
この回から2番手・増井浩俊投手にスイッチしたが、その増井が先頭の山田哲人内野手を歩かせて無死一塁としてしまう。この場面は続く村上のラッキーな一直併殺で切り抜けたか見えたが、この2死走者なしから増井がまた、サンタナを歩かせてしまう。
そして中村に右前安打で繋がれ一、二塁。急きょ代わった比嘉幹貴投手がホセ・オスナ内野手に外角スライダーを狙いすまされて中前に運ばれ、結果的には決勝点となる2点目を奪われている。
このシリーズでここまでのオリックスの総失点は12点。そのうち本塁打による5点を除くと7点は全て四球がらみで失った点数だ。