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立浪和義「真面目の青」と新庄剛志「エネルギッシュな赤」…臨床心理士が就任会見から見た“新監督の決定的な違い”
posted2021/11/23 17:04
text by
岡村美奈Okamura Mina
photograph by
KYODO
この秋、見るからに対象的な2人の新監督が誕生した。1人は10月29日に中日ドラゴンズの監督に就任した立浪和義氏。もう1人は11月4日に日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛志氏だ。
現役時代からファンに愛され、それぞれの球団を代表するスター選手であった両者。監督として目指すところは、ファンが喜ぶ強いチーム作りであり勝利であるのは同じだろう。だが会見を見ていると、その方法や考え方への違いが色濃く出ているように感じられた。その違いは何かどこからくるのか、会見から紐解いてみる。
《第一印象》「青の真面目」と「エネルギッシュな赤」
見た目の印象が正反対なのは言うまでもない。
立浪監督は新監督就任会見らしい服装だ。金屏風を背に、シックな青いスーツに白いワイドカラーのシャツ、鮮やかな青のネクタイ。「今の時代にあまり規制をかけることは良くないことかもしれませんが、スポーツ選手はスポーツマンらしく、ファンの皆さんも見ていますし、髪形にしても、そういったことも含めてキチッとした形でスタートしようかなと」と言うだけあり、青の真面目、厳しい、冷静というイメージのままそつなくキチッとしている。
少し緊張した面持ながら所信表明も「妥協はしません」と力強い。質疑にもよどみなく受け答え、“必ず”という言葉が度々使われ、新庄監督が自分は変えたいと述べた野球の監督の「硬い、真面目な顔をして、腕組んでやっているようなイメージ」に近かった。
新庄監督はというと、ファイターズのロゴを背に、赤のスーツに大きな襟を立てた白シャツ。胸元を開け、首元には赤のネックレス。カメラに向ってドヤ顔でアロハポーズをきめ、「監督らしく、きょうは監督っぽい服装できました。これからは、顔を変えずにチームを変えていきたいなと思います」「これからは僕が監督像というものを変えていきます」と発言。質疑応答で「暴れまっせ」と答えたように、まさにアクティブで大胆、高いモチベーションや可能性を感じさせ、強くエネルギッシュな赤のイメージそのもの。
メリハリのある言葉に織り交ぜられたジョーク、多彩な表情、現役時代に見せた強運もあり「僕が帰ってきたからには、コロナはなくなり、球場は満員になりますよ。そういう運命なので、僕は」と言われると、そうかもしれないと思わされてしまう。率先して自らが動き回る規格外、型破りの監督という印象を強くさせた。