沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
《マイルCS》グランアレグリアvsシュネルマイスターでも「4頭のGIホース」が不気味…“一発”がある「強い3歳世代」の一頭とは?
posted2021/11/20 06:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
若武者を背にした3歳のマイル王か。それとも、リーディングジョッキーが操る短距離界の絶対女王か。
第38回マイルチャンピオンシップ(11月21日、阪神芝外回り1600m、3歳以上GI)は、実力の拮抗した新旧マイル王による壮絶な争いになりそうだ。どちらが勝っても、歴史的な一戦になる。
シュネルマイスターには横山武史が騎乗
マイル界に新たな歴史を刻むにふさわしい走りを見せているのが、横山武史が騎乗するシュネルマイスター(牡3歳、父キングマン、美浦・手塚貴久厩舎)だ。
NHKマイルカップを制し、中3週で臨んだ安田記念では勝ったダノンキングリーからコンマ1秒差の3着。それ以来となった前走の毎日王冠ではダノンキングリーを逆転して勝利をおさめた。直線で前が壁になるシーンがありながら、外に出ると鋭く伸びてきっちり差し切るという、強いレースだった。
通算6戦4勝、2着1回、3着1回と、ほぼパーフェクトな戦績。負けた2戦のうちのひとつは間隔の詰まっていた安田記念で、もうひとつの弥生賞は、手塚調教師によると、少し緩くつくっていた部分もあったという。それでも、勝ったタイトルホルダーからコンマ2秒差だった。
ここ2週つづけて横山が追い切りに騎乗し、力強い動きを見せている。態勢は整った。
3歳馬でマイルCS制覇した馬は5頭
これまで3歳時にマイルチャンピオンシップを制した馬は5頭。
1988年のサッカーボーイ、1997年のタイキシャトル、2000年のアグネスデジタル、2017年のペルシアンナイト、2018年のステルヴィオである。
サッカーボーイは、マイルチャンピオンシップを4馬身差で制する前、函館記念で前年のダービー馬メリーナイスを5馬身突き放したり、阪神3歳ステークス(旧馬齢)を8馬身差で勝ったりした化け物だった。タイキシャトルはフランスのGI、ジャックルマロワ賞も制した歴史的マイラー。そして、アグネスデジタルは、芝・ダート両方のGIを制した二刀流王者であった。
マイル界は昔から層が厚く、3歳でマイルチャンピオンシップを勝つのは、これら3頭のように突出した力を持つ馬ではないと難しいと思われていた。
それゆえ、アグネスデジタル以降、しばらく3歳の勝ち馬は現れなかったのだが、17年ぶりにペルシアンナイトが勝ったと思ったら、翌年ステルヴィオも結果を出した。両馬ともマイルチャンピオンシップが初めてのGI勝利であった。もちろん2頭とも強い馬だが、前記3頭ほどの飛び抜けた実績はなかった。また、アグネスデジタルが勝った年まで3歳馬の斤量は55kgと古馬より2kg軽かったのだが、翌年から56kgになり、アドバンテージが小さくなっている。