シュネルマイスターとグランアレグリアの“位置関係”

　しかし、相手も強い。2着となった安田記念ではシュネルマイスター（3着）に先着したが、この半年弱の間に、相手は大きく成長している。

　今回、シュネルイマイスターとの位置関係はどうなるだろうか。

　2000mで折り合う競馬をしてきたグランアレグリアは、ここでもじわっとスピードに乗り、中団か後方に待機する形になるのではないか。

　一方、積極的な競馬をする横山が乗るシュネルマイスターは、序盤から出して行き、先行する可能性もある。直線でも、グランアレグリアを待つことなくスパートして突き放そうとするのではないか。

　満を持して仕掛けられたグランアレグリアがどんな末脚を見せてくれるか。

　この「二強」のマッチレースになるような気がするし、また、そうなってほしいと思っているのだが、あらゆる結果が出る可能性があるのが競馬というものだ。

不気味な存在は、二強のほかの“4頭のGIホース”

　同じコースで行われた昨年の朝日杯フューチュリティステークスを勝ったグレナディアガーズ（牡3歳、父フランケル、栗東・中内田充正厩舎）、前走の富士ステークスで、マイルだと折り合いに苦労しないことがわかったダノンザキッド（牡3歳、父ジャスタウェイ、栗東・安田隆行厩舎）といった「強い3歳世代」の一発があってもおかしくない。

　一昨年の覇者インディチャンプ（牡6歳、父ステイゴールド、栗東・音無秀孝厩舎）と、安田記念の直線では不利があって力を出し切れなかったサリオス（牡4歳、父ハーツクライ、美浦・堀宣行厩舎）も怖い。

　なお、ここに追記した4頭はみなGIホースである。そう、今年のマイルチャンピオンシップは、二強を含めGI馬6頭による豪華競演となるのだ。

　◎シュネルマイスター

　○グランアレグリア

　▲ダノンザキッド

　1989年のオグリキャップとバンブーメモリーによる死闘の再現を期待しつつ、昨年2歳王者となり、現3歳世代で一度は頂点に立ったダノンザキッドの復権の可能性にも賭けてみたい。